朝日新聞社杯 日本クラブ軟式野球大会
抽選会 「吉か?」「凶か?」で悲喜こもごも
小箱から拾い上げられた札に書かれた数字が読み上げられる。その度に発せられる、悲鳴とも感嘆ともつかない声…。こちらは町内会の福引き…、ではなく、来月に開幕を控えた日本クラブ軟式野球大会のトーナメント抽選会の一幕だ。
この日、全てのチームから最も疎まれていたのは、第1シード、昨年度優勝の鹿島と2回戦を戦うことになる枠。その大当たりを引いたのはJTBだったが、「初戦を全力で戦い、その勢いにのって鹿島の胸を借りたい」と主将の小沼和夫に気負けの様子はない。しかし同チーム参謀長の神谷哲は、若干の動揺の現れか「目標は…、ゆ、優勝にしとく?」とブレーンらしからぬ迷言を漏らした。
一方の第2シードには、昨年決勝で鹿島に逆転負けを喫した住友。是非とも雪辱といきたい同チームは今年、昨年11月に赴任した関西大学野球部出身の熊ノ郷征輝を新主将に迎え、組み合わせ上1番遠い場所から鹿島に照準を向ける。
「一つひとつ謙虚に戦いたい」と控えめなのは、昨年度準々決勝で鹿島に敗れたKPMGの森和孝監督。その傍ら「組み合わせは気にしない。どうせ優勝するわけだし」と同チーム副将の奥村淳児は強気だ。しかし抽選後、古豪として知られる地銀野球同好会が相手と分かると、主将の下平達也と連れ立って敵陣の野中崇史主将(中国銀行)と平岡雄隆副将(信金中央金庫)に笑顔で挨拶。両者和やかに歓談と思いきや、互いの情報を探り合う駆け引きも見られ、戦いはすでに始まっている事を伺わせた。
今年度、企業合併のために新チームとして誕生した東京三菱UFJの情報も、各チーム気になるところだったはずだ。しかし「新銀行になって部員は増えたが、まだ集まって練習をしていないのでなんとも…」と大浦勇樹主将が語るとおり、その実力は今のところ自身たちにも未知数の様子。
その他にも「新戦力を補強した」(田中裕也主将談)伊藤忠や、「日本人は私一人」(小西健太郎主将代理)という大和証券など、蓋を開けて見るまで分からないチームも数多い今大会。その戦いの火蓋は6月11日、ランドールズ島球場にて一斉に切って落とされる。
=文中敬称略