2019/04/19発行 ジャピオン1014号掲載記事

030 地産地消と食育にこだわる店

ブルックリンのガイドブックの著者、安部かすみが、本で書ききれなかったことや、まだあるお気に入りスポットを紹介します。「大切な友人に紹介するとしたら?」という目線で選んだとっておき。今週はイーストウィリアムズバーグにある「Osakana」です。

Osakana(オサカナ)

私がオーナーの原口雄次さんに初めて会ったのは、6年前に「YUJI Ramen」がマンハッタンのホールフーズに出店したばかりのころでした。出資金はキックスターターから。ラーメンが注目され始めたころで、原口さんは新たな手法としてまぜ麺やラーメンのコース料理など、斬新なアイデアで人々に注目され始めていました。

「買いたい魚がないから、自分でやろう」

原口さんはその後、順調にビジネスを拡大し続け、2014年に一汁三菜の定食とラーメンを提供する「Okonomi//YUJI Ramen」を、18年にはすしと居酒屋の混合店「Okozushi」を、それぞれブルックリンにオープン。日本でも事業を展開し、17年に横浜ラーメン博物館に「YUJI Ramen」を出店。ブルックリン発と銘打って、同年、京都にも訪日外国人向けの一汁三菜の店と料理教室「ロリマー京都」をオープンしました。

ただ、自身の店で調理したいと思えるような品質の魚がないことに気付き、「だったら自分で、自分が納得した魚を販売する店を作ろう」と、再びキックスターターで軍資金を得て、16年にオープンしたのが「Osakana」でした。

命を無駄にしない

ここは、自身のレストランのセントラルキッチンの役割も持ち、店奥には大きな調理場も併設されています。

「地産地消にこだわり、食育や『もったいない文化』にこだわる店です」と原口さん。魚は主にボストン沖やロングアイランド沖から獲れたばかりの新鮮なもの。通常の鮮魚店では捨てられる部位や骨も、ここでは奥の調理場で有効活用されています。マグロの髄のうま味が凝縮した「ツナコツラーメン」もその一つ。

またこのキッチンでは毎日、魚を使った料理教室や包丁の研ぎ方など、地元の人を対象にさまざまな啓蒙(けいもう)活動も行っています。

今年2月から、マンハッタンのグランドセントラル駅近くの「片桐スーパー」など市内4店舗にも卸しているので、さらに原口さんの魚が手にとりやすくなりました。

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店内はどことなく日本ぽいけど、いわゆる「そこらへんの魚屋」でもないモダンな雰囲気。「魚の陳列法を変えたい」と特注したこだわり専用ケースは、イタリアから輸入した

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原口さんのこだわりの魚。ディストリビューターである以前の職場の元同僚が立ち上げた会社「Nishimaru」から仕入れている

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近海で獲れた天然魚、焼き魚用と刺身用がそれぞれ5〜10種類そろう

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