2019/04/05発行 ジャピオン1012号掲載記事

028 受賞歴多数のシェフによるパン

ブルックリンのガイドブックの著者、安部かすみが、本で書ききれなかったことや、まだあるお気に入りスポットを紹介します。「大切な友人に紹介するとしたら?」という目線で選んだとっておき。今週はボコカにある「Bien Cuit」です。

Bien Cuit(ビヤン・キュイ)

グルテンが含まれた小麦粉の代用品として、アメリカの大都市部ではグルテンフリーの米粉が注目されています。2月中旬、市内で米粉のスイーツを作るイベントが開催されました。講師としてキッチンに立ち、米粉を使ったスポンジケーキなどの作り方を教えてくれたのが、人気カフェ&ベーカリーを持つ、ザッカリー・ゴルパーでした。

農場を耕すことから

ザッカリーがこの業界に身を置いて22年。その間、食のアカデミー賞とも呼ばれる「ジェームズビアード賞」ベーカリー部門などで、数々の受賞歴を誇ります。

「Bien Cuit」とはフランス語でウェルダン(きちんと焼き上がったという方の意味)。地元オレゴンの農場で畑を耕すことから始め、シアトル、ラスベガス、フィラデルフィアなど各地の有名店でペイストリーシェフとして、キャリアを積んできました。半年ほど修行したフランスでは、好きなベーカリーでよく「ビヤン・キュイ」と聞こえて、それが印象的だったそうです。

2011年に自身初となるこのカフェをオープンするためにニューヨークへ。当地を選んだ理由について、「誰も知らなかったのでゼロから始めるには最適。またこの街でやり遂げられたら次にどこに行っても簡単だからね」。

未来のために地球守る

さて、冒頭の米粉スイーツとの出合いは、「妻の叔母がシリアック病でグルテンが取れないから、以前作ったことがあった。パンはうまくいくけどペイストリーは難しくて何度も失敗。その経験をもとにイベントの講師として声が掛かり、オリジナルレシピを紹介したんだ」とのこと。

父である彼は、子どもや将来の孫の世代のためにも、環境を守り続けたいと願っています。

「店が食材として米粉を使用し続けることは、農業を、しいては環境保全にも一役買うことにつながる。イベントで使った日本の米粉は高品質でとても興味があるけど、ディストリビューターがいないために、充分な量が確保できない。それさえクリアになれば、ぜひ商品開発を検討したいです」

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フレンチ系の手作りパンが並ぶ。右は創業以来のベストセラー、2度焼きされた「Almond Croissant」($5.75)、左は新商品の「Honey, Orange & Fennel Danish」($4.75、Fennelとはフェンネル花粉のこと)。バゲット類も試してみて

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数カ月ごとに新商品が発表されるので、いつ来ても飽きない

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毎日焼き立てが陳列される。イートインも可

All photos ©️ Kasumi Abe(安部かすみ)

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