2018/09/28発行 ジャピオン986号掲載記事

002 フレンチ&インダストリーの融合 週末は2000人が来場!

ブルックリンのガイドブックの著者が、ガイドブックで書ききれなかったことやまだまだあるブルックリンのお気に入りスポットをナビゲートします。今週の私のとっておきスポットは、ブッシュウィックにある「Lot 45 Bushwick」です。

Lot 45 Bushwick(ロット・45・ブッシュウィック)

壁画街「ブッシュウィック・コレクティブ」のあるブッシュウィックエリアは、クリエーターが多く住み、今ブルックリンでもっとも勢いがある地区の一つです。私も2005年まで1、2年ほど住んでいました。「おしゃれだから」ではありません。好条件の家がたまたま見つかったからで、飲みに行くのはいつも決まって数駅先のおしゃれなウィリアムズバーグでした。

ブッシュウィックは長年劣悪な治安で、犯罪と戦ってきました。1980年代、この辺に住んでいた知り合いの女性いわく「拳銃の流れ弾が飛んでくるのは日常茶飯事」だったそうです。私も空き巣に入られたり路上で変質者に遭遇したり、いろんな目に遭い引っ越しました。数年後に、こんなクリエイティブなエリアになるとは思いもせず…。

商業トラック製造所を改造

音楽&イベントベニューも兼ねたレストラン&バー「Lot 45 Bushwick」は、生まれ変わったこのエリアを象徴する店。19世紀に商業トラックの製造所だった広い敷地を利用し、奥はバースペース、手前のパティオエリアはコンテナを改造したミニキッチンや卓球台もあり、夜な夜な近所のヒップスターが集います。

ラモン・ノラレホが2013年にオープンし、フランス出身のシェフ、サミア・ベハヤが共同オーナーとして参加。ラモンが初めてこの空きスペースを見たとき「大きなリビングルームが頭に浮かんだ。そこには風が通り抜ける明るいベランダがあって…」。まさに今の「Lot 45」です!

料理は近郊農家で仕入れた食材を使い、すべて手作り。サミアの両親のルーツ、アルジェリアとフランスのフレーバーがミックスした季節ごとの手料理は、店が混んでない時間帯にぜひトライしてみてください。

めいっ子への思いが込められたキッチン

さて店名の意味を問うと、「Lotは大きなスペースを表しているのと、ここはもともと店外の向こう側まで一つの大きなプロパティーで、店舗リースにサインをするときに割り振られたロットナンバーが45だったのさ」とラモン。そして「実はねこの店には別のストーリーもあるの」とサミア。サミアが立つコンテナキッチンは「djenna」(ジェナ)という名前がついています(アラビア語でパラダイスという意味)。

「2012年に亡くなっためいの名前よ。彼女は生前『フードトラックをしてみたら』とアドバイスをしてくれていた。めいを忘れないために名付けたのよ」

多くのほろ酔いパーティーピープルは気付かないかもしれないけれど、ブッシュウィックのイケてるスポットの随所には、そんなオーナーの大切な思い出が込められている。
 

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奥のバースペース。店内はとにかく広く「週末は2000人の人々が押し寄せる」そう
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19世紀に活躍した商業トラック製造所時代の看板は、今でもここの大切なインテリア。
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サミアのめいの思い出を忘れないようにという願いが込められたコンテナキッチン

NYジャピオン 1分動画


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