2017/03/24発行 ジャピオン908号掲載記事
コリン・高田さん
バイリンガルの環境で育ったとのことですが。
母がアメリカ人、父が日本人で、東京で生まれ育ちました。公立の小中学校は校則が厳しく、自分がどう思うかより、理解できない決まりを押し付けられることが多かったですが、ジャーナリストの母親の影響で、私はアメリカナイズされていました。ワシントン州のコミュニティー大学を卒業後、日本での就職や韓国への語学留学を経て、ニューヨークに移住してFITで学びました。
どんなお仕事ですか?
「セオリー」のメンズ・マーチャンダイジング部に所属しています。商品化計画を担当する部署ですが 、私は主に生産部や営業部、プランニング部と密に仕事をして、データを通して需要の予測や、出荷や在庫管理の計画を立てたりしています。他にも日本の「セオリージャパン」への橋渡し役や、年に4回開催する展示会で受けた注文をまとめて生産部に渡す、また、店頭の製品に対するお客さまや店の声を、営業部からデザイナーたちに引き継ぐ役目もしています。
仕事上で失敗してしまった経験は?
「自分がやらなかったら誰がやるの」と張り切り過ぎてしまうところがあり、入社2カ月目に電車の中で倒れてしまいました。先輩に「あなたがやらなくても会社はつぶれないから」と言われて反省し、会社を一歩出たら仕事のことはあえて忘れるようにしています。
仕事の楽しさや、やりがいを聞かせてください。
仕事が多い半面、普通の企業だったら新人は、ここまで任せもらえないと思います。論理立てて考えることが得意なので、数字を使って理論を立て、それに基づいて計画や予算を組む今の業務はとても楽しいです。日本語が使えることも、日・米両方のチームにとってプラスになっていると思います。また、うちの会社は社長や他のエグゼクティブとミーティングをする機会が多いので、直に話ができるのもいいところです。バイヤーやお客さまのフィードバックを聞くのも楽しみの一つです。
ニューヨークで働くのは楽しいですか?
常にみんなが競争していて疲れることもありますが、今の私の年齢には、それがとても合っている都市です。これからキャリアを築いていく若い人にはいい場所じゃないでしょうか。この街で生き抜くためには、タフにならないといけないですからね。
これからの目標は?
会社は近年、サステナビリティーに力を入れていて、昨年私もその企画立ち上げメンバーの一人に選ばれました。私は元々サステナビリティーに関心があったので、ぜひ商品やコンセプトを通してお客さまをインスパイアしたいです。もう一つ、日本はファッションビジネスがまだまだ弱く、海外への発信者が足りないと思うので、日本の若いデザイナーと組んで世界に発信するのも面白そうです。
『若者の日常チェック!』
彼らは日常をどうやって過ごしているのか。
仕事場、オフの姿を追う。




コリン・高田さん
東京で生まれ育ち、17歳でワシントン州に移る。同州のコミュニティー大学を卒業後、日本で市場調査会社に勤務。2013年にニューヨークに移りFITを卒業後、16年から現職。
推薦者のことば

Josh Puritzさん
「セオリー」メンズ・マーチャンダイジング・ディレクター
努力家で細かいところに目が届く、チームに不可欠なメンバーです。適応力が求められる環境にもフィットし、効率と正確さを持ち、さまざまな部署とコミュニケーションを円滑に取れる、信用できるパートナーです。