2016/05/06発行 ジャピオン863号掲載記事
飯沢諒さん
シェフになったきっかけは?
純粋に子供の頃から料理するのが好きで、よく母の手伝いをしていました。実は進学校に通っていたので大学に行くつもりだったのですが、それよりも手に職をつけたいし、好きなことを仕事にできればと思って調理師専門学校に入り、シェフを目指すことに決めました。
お学校を卒業後は?
1人の親方に3年間師事したのですが、職場の同僚が数人しかいなかったので、もっと大勢のシェフに囲まれて切磋琢磨(せっさたくま)しながら料理を勉強したいと思い、ロイヤルパークホテルに中途採用で入社することになりました。和食だけでも25人のシェフがいて、仲間が増えたのが心強かったです。
ワシントンDCの大使公邸料理人になったきっかけは?
ホテル入社後にうちのホテルから海外の大使公邸料理人を派遣するケースがあることを知り、機会があればいつか海外で勝負してみたいと思っていました。
ある日上司から「DCに行ってみるか?」と打診があり、「行きます!」と迷わず即答しました。ただDCの歴代の大使公邸料理人は料理長をやっているような経験豊かな人ばかり。ですから、抜擢されてうれしかった一方で、「自分には荷が重い」とも感じて非常に気が引き締まる思いでした
実際にDCに公邸料理人として赴任してみて?
最初は震えるほど緊張していました。日本大使公邸という、日本を代表する場所で、外国の賓客に食事を出しているという重みを考えてしまうとプレッシャーなので、なるべく考えないようにしています(笑)。一番最初は、佐々江大使とあるアメリカ政府元閣僚の方の会食のフルコースを作りましたが、会食後に、大使とそのゲストの方から「おいしかった」「テストは合格だよ」と言われた時にはかなりほっとしましたね。
公邸料理人としてのやりがいは?
佐々江大使夫妻は懐が広くて、献立に関しては全面的に私たちシェフに任せてくれるので、そこには責任を感じますし、やりがいがあります。またお2人とも褒めて育てて下さるので、毎回「ありがとう。本当においしかった」と言って頂けるとシェフとして純粋にうれしく、「次回も頑張ろう」とやる気が出ます。
どんな料理が得意ですか?
私は日本料理のプロなので、苦手なもの、作れないものはありません。仕事としてやっているのでおいしくないものはお客さまには絶対にお出ししません。ですから特に「これが得意料理です」というのはないのです。おいしいかどうかの判断するのはあくまでもお客さまだと思っています。
今後どんなことに挑戦したいですか?
今の任期が終わればまずホテルに戻ってさらに料理の勉強をしたいです。将来的には自分の店を持ちたいと思っています!
『若者の日常チェック!』
彼らは日常をどうやって過ごしているのか。
仕事場、オフの姿を追う。




飯沢諒さん
調理師専門学校卒業後、東京都内の和食店で勤務。その後ロイヤルパークホテルに入社し、2012年11月から現職。
推薦者のことば

佐々江信子さん
駐米日本大使夫人
飯沢シェフには深い信頼を寄せています。リーダーシップと責任感があり、常に全体の場や相手のことを考えて料理を出すことができる人。高い美意識を持って丁寧に完成された料理は決して食べる人の期待を裏切りません。