2018/04/27発行 ジャピオン964号掲載記事

心と体のメンテナンス

「なりたい自分」になるライフコーチング(後編)

「心の断捨離」実施 本音で生きる人生

コーチングの進め方を教えてください。

 コーチによってそれぞれ特徴がありますが、私の場合、クライアントが今置かれた状況に、どのような「パターン」を持ってたどり着いたかをひも解くことから始めます。
 パターンとは、無意識のうちに繰り返す「習慣的な行動や考え方の癖」のことです。自分のパターンを認識する、つまり「気付き」を得ることが、「なりたい自分になる」ための大切な一歩なのです。
 第三者の私(ライフコーチ)から見ると、クライアントのパターンはすぐ分かることがほとんどです。ですが、それを私が指摘するのではなく、質問に答えてもらう中で、クライアントが自分で気付くように誘導します。パターンに気付いたら、悪癖から抜け出し、目標を達成するための道(選択肢)を提示します。
 セッションは、電話またはスカイプで行います。初回は2時間かけて話を聞き、終了後に復習の意味で「気付き」や「宿題」をメールで送ります。宿題とは、「これから気を付けてほしいこと・やってほしいこと」です。
 1回のセッションで満足する人もいれば、定期的に続けたいという人もいます。継続を希望する場合、宿題ができたか、次は何に取り組むかなどを次回セッションで話します。
 行動や考え方の新しいパターンを定着させ、目標を達成するまで、長mta期的にライフコーチの「案内」が必要という人もいます。長年の悪癖から脱するのは、それほど大変だということです。ただ、セッションは最大6回ほどで、何年も続けることはありません。心理療法と違い、ライフコーチングは「なりたい自分になるため、これから何をするか」という、近い将来の具体的な目標達成に焦点を置くからです。

「心の断捨離」とはどういうことですか?

 人間には、「捨てられないもの」がたくさんあります。それは人間関係かもしれないし、自分の夢かもしれません。しかし、1日24時間という限られた時間の中で、それらすべてを守ることはできません。
 一番大切なものは何で、それを守るには何をあきらめなければいけないか。ライフコーチは、これらについてクライアントが自分の思いを整理し、目標達成や問題解決に建設的に取り組めるようお手伝いします。

心の断捨離にはどんな例がありますか?

 よくある相談の一つに、「日本にいる高齢の親が病気になった。日本に帰って世話をしたいが、自分の生活もあり、どうすればいいか分からない」があります。
 この場合の選択肢は、「アメリカ生活を引き上げて日本に帰る」「アメリカ生活を続ける」の2つしかありません。そこで、「何を守りたいか」「切り捨てられるものは何か」「守りたい・守るとは、具体的にどういうことか。そのために何ができるか」を宿題に出し、自分の気持ちを書き出してもらいます。大切なこと(自分がどうしたいのか)が整理され、何をしなければいけないかが、具体的に少しずつ見えてきます。
 「親との関係を守りたいが、自分の生活も捨てられない」という決断をするかもしれません。日米間を行き来する選択肢もありますが、時間的、経済的にも難しい人がほとんどでしょう。でも、毎日親に電話することはできるかもしれません。「親に愛情を伝えるにはどうすればいいか」「この先後悔することがあるとすれば何か」など、ライフコーチはさまざまな質問をして、クライアントの思いを引き出します。
 私たちは、何事にも「完璧」を求めがちですが、この世に完璧はあり得ません。守るものと、切り捨てられるものとのバランスをうまく取ることが大切です。
 他人との関係を優先すると、いつか行き詰まります。自分の思いを優先することを促しながら、他人への思いやりも忘れず、本音で生きる方法を見つけること。これを手助けするのも、ライフコーチの仕事の一つです。

ライフコーチングは誰でも受けられますか?

 受けられます。ですが、効果を得るには、自分に向き合い、自分を変える「覚悟」が必要です。そして、心を開いて、何でも話ができるコーチを見つけてください。

※来週は、エリック・メイザー先生に審美歯科技術について伺います。

「生き方や哲学、瞑想について日々勉強している」とブロディーさん。最近は個々の人間本来の性質や人生の役割に関心があるという(写真提供:ブロディーさん)
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ブロディー愛子さん
Aiko Brody, CLC

国際コーチ連盟(ICF)認定ライフコーチ(CLC)。ライフ・パーパス・インスティチュートでライフコーチ認定プログラム修了。オメガ・インスティテュート主催マインドフルネス・ティーチャーズ・トレーニングなど、哲学や瞑想関係のコースを多数受講。乳がん・卵巣がん患者支援団体「SHARE」の日本語サポート部門代表。がん患者のためのヨガ「Y4C(Yoga forCancer)」講師。ワークショップも多く開催。

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