2017/12/15発行 ジャピオン946号掲載記事

心と体のメンテナンス

よくある目の病気(前編)

3人に1人がドライアイ 長引く症状は眼科を受診

ドライアイとはどういう状態ですか?

 名前の通り、目が乾いた状態です。涙の量が減るか、量は十分でも質が低下することにより、目(眼球)の表面を潤す力が弱くなることで起こります。

 涙は、水層、油層、ムチン層という3つの層(成分)からできています。これらのバランスが崩れると、涙が蒸発しやすくなり、目の表面が乾いて傷つきやすくなります。

 主な症状は次の通りです。▽目の疲れ▽目が乾いた感じ・ショボショボする▽目の不快感▽かすみ目▽充血▽目の痛み▽目が重い感じ▽目の痒み▽目の異物感▽涙や目ヤニが出る(質が低下した涙は蒸発しやすいので、体は涙を余計に作って補おうとする)

 これらの症状が5つ以上当てはまる人は、ほとんどの場合ドライアイです。まばたきせずに10秒間目を開けていられない人も、ドライアイが疑われます。

ドライアイの原因は何ですか?

 いろいろありますが、主な原因を挙げてみましょう。

 ▽加齢=年とともに涙の分泌量と質が低下する。
▽パソコンやスマートフォンの長時間使用=まばたきの回数が減り、涙の分泌が減る。
▽内服薬の副作用=高血圧治療薬や向精神薬の一部には、涙の分泌を減らす作用がある。
▽点眼薬=一部の成分や防腐剤によって、目が荒れることがある。
▽マイボーム腺機能不全・眼瞼炎=まぶたの縁にある脂質を出す組織の機能が加齢とともに低下し、涙の油層が分泌されにくくなる。

 空気の乾燥、コンタクトレンズの長時間使用、タバコの煙も悪化要因です。また、男性より女性の方がドライアイになりやすいことが分かっています。

 パソコンやスマートフォンの普及により、最近は若者の間でドライアイが増えています。また、オフィスワーカーの3人に1人がドライアイで悩んでいると言われています。

ドライアイはどのように治療しますか?

 症状が軽い場合は、市販の人工涙液(点眼薬)が有効です。ヒアルロン酸含有製品(ブランド名=Blink)など、さまざまな種類があります。最新のものは、油層を補給するように工夫されています(ブランド名=SystaneBalance、OptiveMega-3、Retaineなど)。

 製品によっては防腐剤が入っており、1日4~5回以上点眼すると、かえって目が荒れることもあります。頻繁に点眼する人は、防腐剤無添加(preservative free)の製品の方がいいかもしれません。

 目を温めるのが効果的な場合もあります。マイボーム腺に詰まった脂分を溶解し、油層分泌を高めるからです。まぶたの上から熱いタオルをあててもいいのですが、冷めにくい市販の温湿布の方が効果を実感できるかもしれません。脂質をサラサラにするオメガ3脂肪酸の摂取も、目にいいとされています。

 市販薬や温湿布で症状が改善しない場合は、眼科で診察を受けてください。ドライアイを放置すると不快なだけでなく、角膜が損傷する恐れもあるからです。眼科では、涙の流出口である涙点に専用プラグで栓をすることにより、涙が鼻の方へ流れるのを防ぐ治療が効果的です。処方薬を使うこともあります。

 どの治療の場合も、基本はドライアイの悪化要因を取り除くこと。パソコン使用時は1時間おきに4~5分目を休める、乾燥予防のため加湿器を使う・暖房の温度を調整する、コンタクトレンズ装用時間を短くする、カフェイン飲料の摂取を減らし、水をたくさん飲む――などを心掛けるといいでしょう。

飛蚊症(ひぶんしょう)とは?

 眼科でよく診る症状の一つで、視界にゴミや虫のようなものが飛んでいるように見えます。目を動かすと、影も一緒に移動します。

 ほとんどの場合、加齢などの生理的変化によるもので、特に心配は要りません。ただ、網膜剥(はく)離や網膜裂孔など、重篤な疾患の前触れであることが、ごくまれにあります。症状が出たら、眼科を受診することをお勧めします。

 飛蚊症は、黒い影が完全に消えることはありませんが、馴れると気にならなくなります。手術で原因を取り除くことも可能ですが、合併症のリスクが高いため、普通はやりません。

※来週は、白内障と緑内障についてです。


 

さまざまなドライアイ用人工涙液が市販されている。粘性のもの、すっきりするものなど、差し心地や機能が少しずつ異なる。コンタクトレンズ装着時に使用するタイプ(右端)もある
HEALTH

遊馬吉右衛門先生
Kichiemon Asoma, MD

眼科専門医師(BoardCertified)。ニューヨーク州立大学臨床助教授。専門は、白内障、緑内障、糖尿病網膜症、網膜剥離、加齢黄斑変性症、ドライアイ、アレルギーなどの目の病気と症状の治療、メガネ、コンタクトレンズの処方など。角膜移植の特別訓練を修了。米国日本人医師会(JMSA)主催のシンポジウム「JMSAニューヨーク・ライフサイエンスフォーラム」(2018年4月7日開催予定)の運営委員。

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