2014/11/07発行 ジャピオン787号掲載記事

心と体のメンテナンス

インフルエンザ予防接種(前)

発病と重症化を予防 高リスク者は要注意

インフルエンザとは何ですか?

インフルエンザという特殊なウイルスに感染して起こる病気です。インフルエンザにかかった人が咳やくしゃみをした後に、飛び散ったウイルスを吸い込んだり、ウイルスが付着したものに触った手で、目や鼻、口に触れたりすることで感染します。風邪に比べて感染力が強いため、流行が始まると短期間で広がります。

 主な症状は、鼻水、のどの痛み、咳などの呼吸器系の症状と、発熱、頭痛などの全身症状です。風邪に似ていますが、大きな違いは、突然の高熱や体の節々の痛み、筋肉の痛みを伴うこと。気管支炎や肺炎などの合併症、臓器不全を併発し、重症化しやすいこともインフルエンザの特徴です。米疾病対策センター(CDC)によると、米国では毎年、何千人という人がインフルエンザによって死亡しています。

 このように、身近で危険なインフルエンザですが、予防ワクチン接種によって、発病の確率を下げられるほか、発病した場合も、重症化を防ぐことが可能です。インフルエンザの危険から自分を守るため、また他人にうつさないためにも、予防接種は重要です。

インフルエンザ予防接種は、いつごろ受ければいいですか?

予防の基本は、病気がはやる前のワクチン接種です。通常米国では、インフルエンザシーズンは10月か11月に始まり、その後ピークと終息を繰り返し、2~3月くらいまで続きます。マスコミ報道や医療関係のウェブサイトで紹介されるインフルエンザ情報に留意し、早めの予防接種を心掛けてください。

 一般的にインフルエンザワクチンは、接種後およそ4週間で予防効果が100%に達します。その後は徐々に効果が低減し、5~6カ月後に50%程度に下がります。まだ接種を受けていない人も、11月に受けると12月以降のインフルエンザシーズン中旬から後半に間に合います。

予防接種を受けた方がいい人とは?また接種は何歳から受けられますか?

予防接種は、生後6カ月から受けられます。ただし、体調がすぐれない人、発熱している人、予防接種にアレルギー反応を起こしたことがある人、卵アレルギーのある人、ギレンバレー症候群(まひを引き起こす運動神経の障害)の既往がある人は、接種を受けられないことがあります。接種を受けていいかどうか、事前に医師に相談してください。

 インフルエンザウイルスの感染リスクが高い人、重症化するリスクが高い人、また発病による体への影響が心配される人は、特に早めの接種が必要です。これらの高リスクに該当するのは、心臓病や糖尿病、ぜんそくなどの重篤な病気を患っている人、65歳以上の高齢者、生後6カ月以上2歳未満の子供、病気治療のために免疫力を抑える薬を服用中の人、医療従事者などです。

 妊婦さんも高リスクに分類されており、早めの接種が推奨されます。妊婦さんが発病すると、胎児への影響が心配されるほか、治療法も限られるため、重症化する恐れがあるからです。

経鼻インフルエンザワクチンとは?

注射投与の代わりに鼻の穴にスプレーし、鼻粘膜から体内に吸収させるタイプのワクチンです。注射に比べて使いやすく、注射を嫌がる子供も受けやすいという利点があります。最新の調査では、鼻スプレーの方が予防効果が高く、特に2~8歳の子供で優れていたという結果も出ています。

 ただ、注射タイプは死んだウイルスを使いますが、経鼻ワクチンは病原性を弱めた生きたウイルスを使います。そのため、ワクチンそのものにインフルエンザを発病させる力はありませんが、体への影響も危惧されるため、免疫力が低下している人、生後2歳までの子供、50歳以上の成人、そして妊婦への使用は認められていません。

 ほかにも以下に該当する場合は、医師に相談してください。▽予防接種でアレルギー反応を起こしたことがある人、▽卵アレルギーがある人、▽病気の治療目的でアスピリンを長期間服用している2~17歳の子供、同じく免疫力を一時的に下げている人、▽2~4歳のぜんそくの子供、▽48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用した人、など。

※ 後編もインフルエンザについて伺います。

鼻の穴に噴霧するタイプのインフルエンザワクチン「フルーミスト」。米国で10年以上使われているが、日本ではまだ認可されていない。
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中釜知則先生 Tomonori Nakagama, MD, MPH

産業・予防医学科専門医(BoardCerti- fied)。セーバー医科大学およびイリノイ大学シカゴ校医学部産業・予防医学科を卒業後、イリノイ大学公衆衛生大学院で公衆衛生学修士号(MPH=Masterof PublicHealth)取得。家庭医学科、内科、婦人科、小児科を含むプライマリーケア、一般診療、人間ドッグなどを手掛ける。

マンハッタン・ウエルネス・メディカル Manhattan Wellness Medical Care (旧・日本クリニック)

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