2017/08/18発行 ジャピオン929号掲載記事

心と体のメンテナンス

目立たない歯列矯正治療(前編)

透明の矯正用アライナー 軽度~中等度症例が対象

歯列矯正中であることが周囲から分かりにくい治療法はありますか?

 最近は、目立たない・見えにくい矯正装置がいろいろ登場し、成人を中心に利用者が増えています。中でも人気のあるのが、「クリア・アライナー」を使う方法です。

 クリア・アライナーは、取り外し可能なマウスピース型矯正装置です。飲食時以外はアライナーを装着しますが、色が透明なので、着けていることが周囲の人からほとんど分かりません。

 クリア・アライナーにもいろいろ種類がありますが、最も有名なのが、アメリカで1999年に登場した「インビザライン(Invisalign)」(米国アライン・テクノロジー社)です。開発会社の大々的な販促活動も手伝い、いまやクリア・アライナーの代名詞と言っていいほど一般的に知られています。

 そのほか、インビザラインほどの知名度はありませんが、「クリアコレクト(ClearCorrect)」「イークライナー(eCligner)」など、クリア・アライナーを使う治療法は、複数の会社から、さまざまなブランド名で提供されています。

 参考までに説明すると、従来からある一般的な歯列矯正法は、ブラケットと呼ばれる金属製の装置を歯の表面に装着し、それにワイヤーを通して歯を動かします。歴史のある確実かつ効果的な方法ですが、話したり笑ったりすると金属製装置が見えるので、それを苦痛に感じる人や、仕事柄人に会うことが多く、ワイヤーや装置は着けられないという人は少なくありません。一度装着した装置は、治療終了まで外すことはできません。

インビザラインとその他のクリア・アライナーとの違いは?

 どの治療法も、基本的なコンセプトは同じです。患者の歯型に合わせて透明なアライナーを作成し、治療の段階ごとに新しいものに1~2週間ごとに交換して徐々に歯を動かします。

 この基本プロセスは同じですが、ブランドによって独自の工夫も加えられています。例えばイークライナーの場合、治療段階ごとに柔らかめ、少し硬め、かなり硬めの3種類のアライナーを使います。対照的にインビザラインでは、治療の最初から最後まで硬いアライナーを使います。

 インビザラインは、簡単なものから難しいものまで、他社の治療法よりも、より幅広い症例に対応できます。というのも、実際に使われ始めた時期が早く、治療経験や知識の蓄積を基に、長年にわたり改良が加えられてきたからです。

 例えば、歯を左右または上下に動かす、歯の生えた向き(角度)を変えるなど、インビザラインでは、歯をより柔軟に動かすことができます。また、歯列がデコボコになるのは、歯が真っ直ぐに生える場所がないからですが、インビザラインでは、歯列弓(U字型に並んだ歯列の曲線)を前方や側方に広げ、場所を広くする治療が可能です。できることが多ければ多いほど、幅広い症例に対応し、患者の理想の歯列に近づけることができます。ただ、その分インビザラインは治療費も高めです。

 当院は、インビザラインを入れて合計3種類のクリア・アライナー治療を行っています。歯列があまり乱れていないなどの簡単なケースでは、インビザライン以外のクリア・アライナーで適切に治療し、治療費も抑えられることがあります。

 「インビザライン以外のブランドは聞いたことがない」という患者がほとんどですが、他の選択肢を説明すると、費用節約を理由にそれらを選ぶ人が多いです。

治療期間はどれくらいですか?

 クリア・アライナーを使う歯列矯正は、基本的に軽度から中等度の症例が対象です。その場合、治療期間は平均1年半~2年です。

 治療経験が豊富な歯科医師であれば、重症例をインビザラインで治療することもできます。ただし、ワイヤー矯正に比べて時間がかかります。症例にもよりますが、最低2~3年は治療に真剣に向き合う心構えが求められます。

 症例によっては、ワイヤー矯正の方が良い結果を期待できることもあります。治療法を決めるときは、インビザラインだけにこだわらず、矯正専門歯科医師の助言を、ぜひ参考にしてください。

※来週は、クララ・リー先生に歯列矯正のクリア・アライナーについて伺います。


 

マウスピース型矯正装置のクリア・アライナー。飲食時以外は1日中歯に装着するが、色が透明に近いので着けていることが目立たない(写真提供:Align Technology)
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クララ・リー先生
Clara Lee, DDS

歯科医師(Boardcertified)。ニューヨーク大学歯学部卒業後、ブルックデール大学病院・医療センター歯科・口腔外科部門でレジデンシーを修了し、チーフレジデントを務めた。ブルックリンとマンハッタンの歯科医院勤務を経て、2010年からウォーターサイド・デンタル・ケア院長。一般歯科、矯正(インビザライン)、歯周病、インプラント、神経治療、レーザー治療など。ニューヨーク大学歯学部講師。

Waterside Dental Care

TEL
212-683-6260
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http://www.WatersideDDS.com
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