2017/01/01発行 ジャピオン897号掲載記事
ヒプノで新年の目標達成(前編)
ヒプノで旧年の垢落とし 問題の原点を書き換える
催眠術(ヒプノシス)とは?
顕在意識と潜在意識の関係は、海に浮かぶ氷山に例えられます。何かを考えたり、判断したりするときに意識して使う顕在意識は、海面に突き出た氷山の一角にすぎません。海面下に隠れたはるかに大きな部分、つまり心の大部分は無意識の潜在意識です。
ヒプノシスのセッションでは、クライアントを催眠状態に誘導し、潜在意識にアクセスしやすい状況を作ります。そして、現在抱える問題の原点を過去にさかのぼって見つけ出し、その解消に取り組みます。潜在意識には、私たちが生まれてからの全ての記憶があるので、普段は忘れていることも、その中から引き出すことができるのです。
また、催眠状態ではネガティブな思考から解放され、ポジティブな暗示にかかりやすくなります。ポジティブな思考は、良いエネルギーを引き寄せ、人生を前向きに変えてくれます。
催眠状態とはどういう状態ですか?
意識はあるので、周囲で起きていることは全て分かります。ヒプノシスのセッション中も、言いたくないことを言う必要はありませんし、言わされることもありません。
日常生活でヒプノシスを実践し、負の連鎖を断ち切る方法は?
①お気に入りの場所を作る=誰にも邪魔されずリラックスできる安全な場所を、視覚(色)、聴覚(音)、触覚、味覚、嗅覚の五感を使ってイメージする。
②催眠状態に入る=有料・無料のヒプノシス用音楽や暗示を利用するとよい。ユーチューブで無料公開されているほか、スマートフォン用音声ファイルとしても提供されている。恐れや不安など、自分を傷めるストレス、考え方、雑念などから心を解放する。深呼吸も有効。
③自己認識=さらに深い呼吸でリラックスを心掛け、体に意識を向ける。自分にとって何が問題で、どうすれば解決できるかを心に聞いてみる。
④問題の原因解明=その問題がどこから始まったか、過去にもあったか、パターン化していないかを心に聞く。問題の原点は、子供のころの体験、親から言われたこと(無意識にかけられた負の暗示)、親から引き継いだ感情的重荷であることが多い。
⑤イメージトレーニング=心にかかった雲、つまり問題の原点や感情的負荷を、自分が好きなポジティブな色で照らして解消する様子や、前向きに変わった自分をイメージする。例えば、母親から虐待された記憶が原点だった場合、優しく、美味しい食事を作っている〝理想の母親〟をイメージし、それが真実であったと脳に思い込ませる。苦い記憶が書き換えられ、ポジティブなパターンが新たに生まれる。
⑥ヒプノノートを作る=前向きな言葉や暗示を書きとめ、1日に何度も呪文のように唱える。なりたい自分を具体的にイメージする。起床時は1~10まで数え、気持ちよく目覚める。
グループでもいいので、専門家のヒプノシスセッションを一度体験することをお勧めします。ここで説明した内容や催眠のコツを、より理解できるようになるでしょう。また、ヒプノシスの効果には個人差があります。特に問題の根が深い場合は、複数回のセッションが必要です。
※後編は、新年の目標達成の方法について伺います。


中根真理子さんMariko Nakane
全米催眠術師協会(NGH=National Guild of Hypnotists)認定催眠術師(ヒプノティスト)。国際レイキ・トレーニングセンター(The International Center for Reiki Training)認定レイキマスター。個人、少人数グループ、スカイプによるセッションを提供。願望達成、悪癖修正、セルフエスティーム向上、人間関係改善、心の傷の癒やし、禁煙、ダイエット、ストレス解消、健康維持などが専門。ヒプノティスト養成講座も開催。
Mariko Nakane