2016/07/22発行 ジャピオン874号掲載記事

心と体のメンテナンス

画像検査のあれこれ(後編)

画像診断センターの特徴 予約が早く、費用も抑制

乳がん検診に有効な検査は?

 米国がん協会は、乳がんの家族歴や、乳がん発症リスクを高める遺伝子変異などのない「平均的リスク」の女性に対し、45歳からの年1回のマンモグラフィー(乳房エックス線撮影検査)を勧めています。マンモグラフィーによって、腫瘍の有無、大きさや形、「石灰化」と呼ばれる組織の異常が分かります。

 上半身裸になって検査装置の前に立ち、左右の乳房を片方ずつ検査台に乗せ、乳房を上下・斜め左右から圧迫して撮影します。検査時間は両乳房で20分ほど。被ばく量は、7週間の日常生活で浴びる程度とごく少量です。

 比較的若い世代は乳腺密度の高い乳房が多く、マンモグラフィーの画像には全体が白っぽく写ってしまうため、病変が見つかりにくいことがあります。その場合は、超音波検査を併用します。

 がんの種類によって、マンモグラフィー画像にしか現れない、あるいは超音波画像にしか現れないものもあるので、これら2つの検査をすることで、がんをより確実に発見できます。

 

乳房磁気共鳴画像(MRI)検査とは?

 乳がん早期発見のために最も優れた検査です。患者の95%はマンモグラフィーと超音波検査によってがんの有無を診断できますが、残り5%の診断が難しいケースに乳房MRI検査が必要となります。乳がん発症リスクが高い人の検診や、乳がんの状態を詳しく知りたいとき、術後の再発の有無を調べたいときも、MRI検査が不可欠です。

 なお、何歳から、どのくらいの頻度で乳がん検診を受けるべきかは、発症リスクの大きさによって異なるので、主治医に相談してください。

 

乳がんのバイオプシー(生体組織検査=生検)を画像診断センターで行う利点は?

 まず、生検とは、専用の針や内視鏡を用いて病変の一部を採取し、専門施設(ラボ)に送って顕微鏡で悪性か良性かを調べる検査です。

 センターには、マンモグラフィー、超音波、場合によっては乳房MRIまで、患者の検査記録がすべて揃っているので、病変の位置を正確に見極め、疑わしい組織を確実に採取して調べることができます。一つの検査施設で生検まで行う方が、患者にとって時間的にも無駄がありません。

 

ドップラー検査とデキサ法(DEXA=DualEmissionX-ray Absorptiometry)検査とは? 

 ドップラー検査は、全身の血流を調べる超音波検査の一つです。静脈瘤や動脈硬化の診断に役立ちます。

 一方、デキサ法検査は、骨密度を測定するレントゲン検査です。エックス線を照射し、背骨、腰、前腕の骨密度を調べます。骨折リスクを評価する質問の回答も分析し、両方の結果を考慮して骨粗しょう症とそのリスクを診断します。被ばく量は、屋外で数時間太陽光を浴びる程度です。最初の検査を65歳までに受けることをお勧めします。

 

信頼できる画像診断センターの選び方は?

 信頼性評価の目安として、▽米放射線協会(ACR=American College of Radiology)認定、▽画像診断専門医(Board CertifiedRadiologist)の常駐――などがあります。主治医から、検査施設をいくつか紹介してもらうといいでしょう。主治医が検査施設を指定することもありますが、それに必ずしも従う必要はありません。最終的にどこで検査を受けるかを決める権利は患者にあるということも、知っておくべき大事なことです。

 

病院ベースの画像診断センターと独立センターの違いは?

 ACR認定で、診断専門医が診断を行っている限り、基本的に一定の水準のサービスを提供しています。ただし、病院が入院と外来・救急患者を対象としているのに対し、独立センターが検査を行うのは外来患者だけです。そのため、病院は検査の予約待ちが長く、実際に検査を受けられるまで時間がかかることが多いですが、独立センターはすぐに予約を入れられます。

 スタッフの多い病院は料金も高く、外来患者の場合、独立センターの2~3倍に上ることもあります。知識として覚えておくといいでしょう。
 
※来週は、中西弘毅先生に伺う心臓疾患の話です。

 

診断精度は、画像読解力によるところが大きい。画像診断専門医と、それ以外の医師や検査技師では、診断結果が異なることも珍しくないという
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A・G・ディケンギル先生
A.G. Dikengil, MD

放射線科専門医師(Board Certified Ra- diologist)。画像検査の結果を基に病気や異常を診断する「画像診断」が専門。イエール大学病院レジデント(専門研修医)、コロンビア大学病院フェロー(上級特別研究員)を経て独立・開業。超音波、CT、MRI、マンモグラフィー、骨密度などの各種画像検査と乳房生検を行うレディオロジー・センター(TheRadiology Center)院長。センターには日本人スタッフが常駐している。

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