2016/07/15発行 ジャピオン873号掲載記事

心と体のメンテナンス

画像検査のあれこれ(中編)

骨の検査に適したCT画像 内臓組織の検査にはMRI

コンピューター断層撮影(CT)検査とは?

 体にエックス線を照射して得られる情報をコンピューターで処理し、体の断面画像を作り、体内の様子を調べる検査です。断面図をコインのように積み重ねることで、臓器の3次元(3D)立体画像を作ることができます。

 CT検査はCATスキャンとも呼ばれ、超音波、磁気共鳴画像(MRI)などの検査に比べて、骨の異常の検出に優れています。レントゲン画像では見えにくい骨折、ひび、腫瘍の有無や、すでに分かっている骨の異常、治療後の骨の様子を詳しく調べたいときは、CT検査が大いに役立ちます。

 全身、特に腹部の臓器や脂肪組織、血管などの軟部組織を調べることにも、CT検査は優れています。

 腹部検査は腹部の痛み、発熱、血便・血尿などの原因を見つけるために、胸部検査は初期の肺がんや肺炎の発見に有効です。神経系の異常が疑われる急性・慢性の頭痛、頭部のけがには、頭部のCT検査を行います。

 がんが疑われるときや、その治療法を決めるために、がんの重症度や腫瘍の大きさを調べたいとき、救急患者の状態を判断したいときも、CT検査が一般的です。

 欠点は、放射線被ばくがあることです。胸部検査の場合、被ばく量は日常生活で受ける量の2年分相当と言われています。

 

MRI検査について教えてください。

 巨大な磁石の間に寝た状態の患者に、RF信号(ラジオ波)を照射して体内の水素原子核を動かし、発生した信号を拾うことによって、コンピューターで2次元(2D)または3D画像を作る検査です。MRI検査は、軟部組織、特に頭部の観察に向いています。CTの方が簡単で時間がかからない利点はありますが、放射線照射が不適切な場合にもMRIを使うことができます。

 主な用途は、脳、脊髄などの中枢神経系と、骨と骨の間でクッションの役割を持つディスクの異常の診断など。脳溢血、脳、脊髄の腫瘍、認知症、椎間板ヘルニアが疑われるときは、MRI検査が有効です。

 関節痛や、関節の動きが悪くなったときの原因を見つける手段としても広く活用されています。ひざ、肩、腰、足首などのけがの原因を調べるときも、MRI検査が一般的です。子宮や卵巣の異常を詳しく調べるために検査をするケースも、最近は増えています。

 CTもMRIも、検査中に痛みはありません。MRIの場合、所要時間は30~45分ほどです。検査中はドンドンという音がしますが、耳栓を使えば気にならない程度に抑えられます。私が院長を務める画像診断センターでは、音楽を流し、患者が落ち着いて検査を受けられるように工夫しています。

 

MRI検査は誰でも受けられますか?

 大抵の患者は問題なく受けられます。ただし、心臓ペースメーカー、動脈瘤クリップ、骨を固定する金属製プレート、補聴器などの電子機器を体内に入れている人は、例外はありますが基本的には検査できません。金属が検査ユニットの磁石によって動いたり、発熱や機械が故障したりする危険があるからです。また、金属と検査部位が近接していると、検査画像が乱れてしまい正しい診断ができません。

 万が一の危険を考えて、妊娠12週以内の妊婦も検査は避けていただきます。

 通常、患者の主治医はこれらの制約を踏まえた上で、患者にとって最適な検査を選びます。それに加えて、間違いや、確認事項に漏れのないように、検査の際は検査室に入る直前に、検査技師が必ず患者に再確認します。

 また、筒状のドームの中に横たわるタイプのMRI検査は、閉所恐怖症の人には向きません。検査予約を入れる際にそれを伝え、オープン型ユニットで検査を受ける方が適切です。サンドイッチのように磁石部分が上下に分かれたオープン型ユニットは、両脇が開いているので閉塞感がかなり軽減されます。

 MRIもCT検査も、造影剤を静脈投与することがあります。画像上で異常をより明確に映し出すためで、腫瘍、炎症、血管の異常の発見に有効ですが、人によってアレルギー反応が出るので注意が必要です。
 
※最終回の次回は、その他の画像検査、画像診断センターの特徴などについてお聞きします。

 

一般的なドーム型MRI検査ユニット(上)と、オープン型ユニット。オープン型を備えた検査センターは少ないという
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A・G・ディケンギル先生
A.G. Dikengil, MD

放射線科専門医師(Board Certified Ra- diologist)。画像検査の結果を基に病気や異常を診断する「画像診断」が専門。イエール大学病院レジデント(専門研修医)、コロンビア大学病院フェロー(上級特別研究員)を経て独立・開業。超音波、CT、MRI、マンモグラフィー、骨密度などの各種画像検査と乳房生検を行うレディオロジー・センター(TheRadiology Center)院長。センターには日本人スタッフが常駐している。

The Radiology Center

TEL
201-729-1234
WEB
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