2016/07/08発行 ジャピオン872号掲載記事

心と体のメンテナンス

画像検査のあれこれ(前編)

いろいろある画像検査 専門医による診断が鍵

画像検査はどんな場合に必要ですか?

 画像検査とは、体の中の様子を画像化して観察する医療技術の一つです。主に以下の目的のために行います。

▽病気のスクリーニング。乳がん検診のためのマンモグラフィー(乳房エックス線撮影検査)、肺がん検診のための肺のコンピューター断層撮影(CT)検査など。
▽疑われる病気や異常の有無の確認。肺炎かどうかを調べるための肺のレントゲン検査など。
▽最適な治療法の選択や、手術のための患部の確認。
▽病変の場所、広がり、重症度の判定や、治療効果の評価など。

 

検査とその後の診断は誰が行いますか?

 画像診断を専門とする医師(診断医)の指示の下で、検査は、州免許を持つ検査技師が行います。

 診断医は、検査技師が作成する画像を読み解いて病気の有無や状態を診断し、患者の検査を依頼してきた医師のために診断書を作ります。診断書には、今後の検査や治療方針も含めます。

 診断医は、正式に表記すると「放射線診断専門医(DiagnosticRadiologist)」です。名前に「放射線」がついていますが、放射線を使わない超音波(Ultrasound)や磁気共鳴画像(MRI)も含め、幅広い種類の検査画像を診断することができます。

 診断医は、大学卒業後に4年間医学大学に通って医学学位(MD)を取得し、1年間のインターンシップと、4年間の病院での放射線科研修(レジデンシー)、1、2年間の専門研究(フェローシップ)を終えた、名前の通り画像診断の専門家です。

 検査装置を適切に使えば、きれいな画像を得ることはできますが、大切なのは、その画像結果から小さな異常を見逃さず、正確に診断することです。診断医は、そのための専門教育と訓練を積んでいます。

 

検査手法はいろいろありますが、どうやって決めるのですか?

 超音波、CT、MRIなどの検査には、それぞれ特徴があり、体のどこの、何を調べたいかなどによって、向き不向きがあります。そこで、主治医が最適な検査を選択し、検査の処方せんを出します。そして、提携する診断医や診断専門センターに、主治医、または患者が直接連絡し、検査を依頼します。

 このように、通常は主治医が検査方法を決めますが、腹部に関して言えば、患者への負担が小さく、費用も安い超音波検査から始めることが多いようです。この検査で異常が見つかるか、逆に超音波では症状の原因が分からない場合は、CTやMRI検査を追加で行います。

 超音波以外の検査が最初から必要なこともあります。例えば、慢性の頭痛や、緊急性を伴う頭部のけがなどの場合は、頭部のCT検査が必要です(詳細は次週説明)。また、患者によっては、特定の検査が適さないか、避けた方がいいこともあります。主治医は、このような患者個々の状態や事情も考慮した上で、検査方法を選びます。

 

超音波検査について教えてください。

 超音波検査は、別名エコー検査とか、ソノグラムとも呼ばれます。調べたい部位の皮膚に専用ゼリーを塗り、その上から医療器具(プローブ)をあてて超音波を発信し、その反射を映像化します。

 超音波検査は、全身の筋肉や筋膜、脂肪組織、血管、内臓などの異常を診断するために行います。骨の検査には適しません。特に腹部の検査に有効で、肝臓、腎臓、すい臓、胆のう、ひ臓、膀胱などの大きさや形、組織の様子を調べることで、がんやその他の異常、胆石、腎臓結石などを見つけることができます。腹部の動脈の異常や、動脈瘤の発見にも優れています。

 肝臓なら、病変や脂肪肝などの異常の発見が可能です。5ミリ程度のごく小さながんも見つけることができます。

 女性の場合、膣からプローブを体内に入れ、子宮や子宮筋肉、卵巣を詳しく調べることもできます。生理不順や痛みの原因の発見、がん、子宮筋腫などのスクリーニングに有効です。皮膚の上から行う通常の検査と同時に受けることをお勧めします。

 検査時間は30~45分ほど。放射線を使わないので、時間をかけて繰り返し検査をしても健康被害の心配がありません。
 
※来週は、CTとMRI検査について伺います。

 

超音波検査は、主に腹部や骨盤内部の検査に使われる。診察台に寝た状態で検査部位にプローブをあてるだけなので、痛みがなく、子供や高齢者も安心して受けられる。写真は患者モデル
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A・G・ディケンギル先生
A.G. Dikengil, MD

放射線科専門医師(Board Certified Ra- diologist)。画像検査の結果を基に病気や異常を診断する「画像診断」が専門。イエール大学病院レジデント(専門研修医)、コロンビア大学病院フェロー(上級特別研究員)を経て独立・開業。超音波、CT、MRI、マンモグラフィー、骨密度などの各種画像検査と乳房生検を行うレディオロジー・センター(TheRadiology Center)院長。センターには日本人スタッフが常駐している。

The Radiology Center

TEL
201-729-1234
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