2016/03/18発行 ジャピオン856号掲載記事

心と体のメンテナンス

子供の目のケア(後編)

いろいろある近視矯正法 寝ている間に角膜変形も

子供の近視はどのように矯正しますか?

 目に異常がない場合、視力矯正の主な選択肢は眼鏡、コンタクトレンズ、角膜屈折療法(CRT=cornealrefractive therapy)の3種類です。子供の年齢や視力、生活スタイル、性格などを総合的に考慮した上で、最も適した方法を選びます。

 目に入った光は、カメラのレンズに相当する水晶体を透過して屈折し、眼底の網膜上で焦点を結びます。近視とは、光が網膜の手前で結像する状態で、近い所はよく見えますが、遠方はぼやけます。眼鏡やコンタクトレンズは、光の屈折率を調整することで、焦点を網膜に合わせます。

 子供の場合、まずは眼鏡を試すのが一般的。将来コンタクトレンズにするにしても、夜寝る前の数時間は眼鏡が必要ですし、目の病気などでコンタクトレンズが一時的に使えなくなる可能性も考えて、眼鏡に慣れておくことが大事です。

 格好悪いという理由で眼鏡を嫌がる子供もいますが、最近はフレームの色やデザインが多様化し、ファッションとして楽しむ子供が増えています。フレーム素材も軽量で頑丈なものが登場し、多少の衝撃では簡単に折れたりしないので安全です。

 眼鏡レンズも高機能になり、紫外線や、パソコンの液晶画面から放出されるブルーライトなど、目に有害な光を遮断する加工を施したレンズもあります。

 

コンタクトレンズは何歳から?

 角膜の表面に直接着けるコンタクトレンズは、洗浄などのケアを日ごろから徹底し、装着するときは手を洗う、装用時間を守るなど、取り扱いに注意が必要です。通常、これらをきちんとできるようになる12歳ごろからの使用を勧めます。

 ただし、運動の邪魔になる・危険があるなどの理由で眼鏡は使いたくないとか、近視が非常に強く、厚いレンズを使わなければならず、見た目が気になる・日常的に使いにくい・眼鏡では十分に矯正できないなどの場合、例外的に6~8歳くらいで処方することもあります。

 子供が安全にコンタクトレンズを使えるように、親の協力も欠かせません。

 

CRTについて教えてください。

 特殊なハードコンタクトレンズを寝る前に装着し、寝ている間に角膜を変形させる方法です。朝起きてレンズを外し、日中は裸眼で遠くをはっきり見ることができます。運動中に眼鏡をかけたくない、何かに顔をぶつけた際に目をけがするのが怖いなど、日中に眼鏡やコンタクトレンズをしたくない場合に適した選択肢です。

 角膜の形は時間がたつと元に戻るので、回復した視力を維持するためには、レンズを毎晩装用します。

 CRTは8歳くらいでも大丈夫ですが、10代前半からの使用が一般的です。子供に有効な方法で、大人向けではありません。

 

近視の進行を遅らせる方法は?

 最近の研究で、遠近両用眼鏡やコンタクトレンズによって、近視の急激な進行を抑えられる可能性が示唆されました。近視の場合、遠方がよく見えるように矯正度数を決めると、手元を見るのが難しくなり、目に負担がかかることがあります。そのため、遠近両用レンズによって、目にあまり負担をかけず、手元も遠くも見えるようにすることで、目の筋肉の緊張がほぐれ、近視の進行が鈍化するようです。

 ただし、進行を抑える効果はわずかです。そこで最近は、進行を遅らせる目的で、子供用に特別にデザインしたレンズの研究が進んでいます。またCRTも、近視の進行を遅らせる研究結果が複数発表されています。目の筋肉の緊張をほぐし、同時に近視の進行を鈍化させる子供用目薬も、新たに注目されています。

 見えにくい状態で無理を続けると、目の筋肉が余計に緊張し、近視が進む原因になります。遠近両方がよく見えるように、適切に矯正することが大事です。

 テレビの近くにいく、本を近づけて読む・本を読まなくなった、物を見るときに片目を閉じる、目を強くつむる、などは近視や目の異常のサインです。「子供が不便を訴えない=視力に異常がない」ではありません。定期検診を心掛け、これらのサインに気付いたら、専門医を速やかに受診してください。

※来週は酵素療法専門家の和泉宏典先生に、「健康になる酵素療法」をテーマにお聞きします。

 

近年の子供用眼鏡はフレームの色やデザインもさまざま。ファッションの一部として楽しむ子供も多い。素材も軽量で頑丈
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ケビン・ロージン先生
Kevin Rosin, OD

検眼医師(OD=Doctor of Optometry)。南アフリカのランド・アカデミック大学から検眼学学士号を取得後、ニューイングランド検眼学大学で検眼学博士号を取得。子供から成人を対象に、結膜炎、アレルギー、飛蚊症、眼精疲労、ドライアイ、網膜剥離、白内障、緑内障などの眼科一般診療と検診、メガネ・コンタクトレンズの処方、弱視査定などを手掛ける。

Drs. Farkas, Kassalow,  Resnick and Associates, P.C.

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