2016/03/11発行 ジャピオン855号掲載記事

心と体のメンテナンス

子供の目のケア(前編)

近視だけでない目の異常 生後6カ月で初回検診を

子供の目の検診は、いつから、どの程度の頻度で必要ですか?

 アメリカ検眼協会は、眼科専門医による最初の検診を生後6カ月、次に3歳、そして幼稚園または小学校入学前の5、6歳で受けることを勧めています。小学校入学後は字を読む時間が増えるので、視力や目に特に問題がなくても年に一度の定期検診が理想です。

 生まれたばかりの赤ちゃんは、「まぶしい」「暗い」といった明暗が分かる程度の視力しかありません。その後、母親の顔を見たり、目で物を追ったりしながら視力が徐々に発達し、両目で物を見て遠近感を把握し、物や色を認識できるようになります。視力を正常に伸ばすためには、目の仕組みが完全に発達していない段階から発達異常や問題を見つけ、早めに治療することが重要です。

 赤ちゃんや小さな子供は、よく見えていない、痛い・痒いなどの目の異常があっても、それを言葉で伝えることができません。それだけに、検診によって問題を見逃さない努力が必要です。

 また、小学校の視力検査で視力低下を指摘され、初めて眼科を受診する子供が多いのですが、学校の検査は基本的に視力を調べるためのもので、目の健康状態や機能を調べるためのものではありません。同じように、小児科健診の一環で受ける目の検査も、十分とは言えません。「視力検査で異常がない=視力がいい、目の発達や機能に異常がない」ではありません。小児科や学校で受ける検査は、眼科の包括的検査に代わるものではないことを覚えておきましょう。

 

検診では何を調べますか?

 子供の年齢によって異なりますが、目の健康状態、眼球の表面・角膜・網膜の異常の有無、目の筋肉の働き、両目の見え方のバランス、光の屈折異常の有無などを調べます。子供が言葉でコミュニケーションを取れるようになり、視力検査ができるのは5、6歳ごろからです。

 子供によっては検査、特に目薬を怖がるかもしれませんが、子供の診療に慣れた眼科医は、子供がリラックスできるように配慮しつつ、無理のないペースで検査を進めるので、心配はいりません。

 

子供に多い目の問題とは?

 一番多いのは近視です。近視は、遺伝的要素と、生活習慣などの環境的要素が絡んで発症します。最近の研究では、屋外で過ごす時間が長い活動的な子供ほど、近視になる確率が低いそうです。ところが米国や日本では、屋外で遊ぶ時間が減り、逆にテレビを見たり、パソコンやゲームをしたりして屋内で過ごす時間が増えています。そのため、近視の子供は増える傾向にあります。

 斜視や弱視など、目を動かす筋肉の問題も頻繁に見られます。目の筋肉は、カメラのレンズにあたる水晶体の厚みを調整し、ピント合わせの役割をしています。両目の筋肉がバランスよく適切に機能していないと、物が二重に見える、目が疲れやすい、頭痛などの症状が現れます。筋肉の問題は眼科の検査で初めて見つかることが多く、受診が遅れると、未診断のまま放置されやすい問題です。

 大人に比べると少ないのですが、遠視や乱視が見つかることもあります。

 

斜視、弱視とは何ですか?

 斜視(strabismus、俗称crossedeyes)とは、物を見ようとするときに、両目の視線が同じ方向を向いていない状態です。目の筋肉や神経の異常、目や脳の病気などによって起こります。一方の目は正面を向いているのに、もう一方が内側や外側、または上や下側に向いていたりします。

 個人差はありますが、症状が軽い場合は、プリズムレンズという特別なレンズを用いたメガネの装用で、見え方を改善できることがあります。重症の場合は、筋肉のバランスを整える手術を検討します。

 弱視(amblyopia、俗称lazyeye)とは、矯正してもよく見えない状態です。斜視、遠視・乱視などの強い屈折異常、先天白内障などが原因で起こります。弱視でない側の目にアイパッチをして弱視の目を強制的に使うようにする、目の運動をして筋肉を鍛える、プリズムメガネで見え方を矯正する、などの方法で治療します。弱視は、子供が小さいときほど治療がしやすいです。

※後編は近視治療について伺います

 

ロージン先生によると、子供が小学校入学後は年に一度の定期検診が望ましい。患者モデルはオフィスのスタッフ
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ケビン・ロージン先生
Kevin Rosin, OD

検眼医師(OD=Doctor of Optometry)。南アフリカのランド・アカデミック大学から検眼学学士号を取得後、ニューイングランド検眼学大学で検眼学博士号を取得。子供から成人を対象に、結膜炎、アレルギー、飛蚊症、眼精疲労、ドライアイ、網膜剥離、白内障、緑内障などの眼科一般診療と検診、メガネ・コンタクトレンズの処方、弱視査定などを手掛ける。

Drs. Farkas, Kassalow,  Resnick and Associates, P.C.

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