2015/10/16発行 ジャピオン835号掲載記事

心と体のメンテナンス

足のタコ・ウオノメ・イボの治療法(前編)

盛り上がったのが「タコ」 芯があるのが「ウオノメ」

足にできるタコとウオノメの違いは?

 タコ(callus)もウオノメ(corn)も、圧迫や摩擦などの刺激が特定部位に繰り返しかかることにより、皮膚の一番外側の角質層が異常に厚くなった状態です。刺激を受けた部分が全体的に硬くなり、盛り上がったものがタコで、硬くなった角質の中心に「芯」ができたものがウオノメです。
 
 タコもウオノメも、歩いたり体重を支えたりといった刺激に対し、体の防御メカニズムが角質層を厚くして対応することで生じます。
 
 タコの場合、普通は痛くありませんが、不快に感じる人もいます。一方、ウオノメは、歩いたりして患部が刺激を受けるたびに、硬くなった芯が皮膚に深く入り込み、神経が圧迫されて痛みを感じます。人によっては激痛のため、パッドを使って患部に体重がかからないようにしたり、尿素入りクリームで軟らかくしたりする必要があります。

 

タコとウオノメができやすい場所は?

 タコとウオノメは、特定部位に繰り返し圧迫や摩擦が生じることで起こります。できやすいのは、次のような場所です。
▽歩行時に力が加わる、中指や小指の付け根部分。
▽靴によって圧迫や摩擦を強く受ける部分。指の付け根や、足の側面、足の甲など。特に、サイズが小さめの靴や、デザイン的に足を締め付ける靴は要注意。
▽外反母趾など、骨が突出した部分。突出部分が靴にあたり、こすれるため。
 
 例えば、窮屈な靴を履き、靴の中で指が常に屈折していると、屈折して高くなった部分が摩擦を受け、ウオノメができやすくなります。また、歩行時に指の付け根部分に強い力がかかり、タコもできやすいです。ハイヒールを履いている人にも、同じことがいえます。

 

どのように治療しますか?

 タコもウオノメも、痛くなければ特に治療は要りません。ただし、ウオノメは歩行時に激しい痛みを伴うことが多く、そうなると治療が必要です。
 
 硬く盛り上がった皮膚は、それだけ圧迫や摩擦を受けやすいので、薄く削ることによって、一時的に症状を緩和できます。処方せんなしで購入できるサリチル酸(スピール膏)を使い、角質を柔らかくしてむいたり、風呂上がりにハサミや爪切りで切ったり、軽石で削ったりするといいでしょう。
 
 ただし、糖尿病患者や血液循環が悪い人は、削ったり切ったりしてはいけません。患部から細菌に感染し、重症化する危険があるからです。
 
 硬くなった角質は、市販の尿素入り保湿剤でも除去できます。必要に応じて、尿素含有量の多い処方せん薬も使います。
 
 真ん中が空洞になったドーナツ型パッドも、患部の圧迫や摩擦を減らすために有効です。患部にパッドが当たらないように、患部を囲むように張ります。痛み対策として、ウオノメに絆創膏を張る人がいますが、これはお勧めできません。絆創膏の厚みの分だけ患部が高くなり、余計に摩擦や圧迫を受けるため、かえって悪化してしまいます。

 

再発を防ぐことはできますか?

 はい。タコやウオノメの原因である圧迫や摩擦を取り除きます。逆にいえば、これらの問題を解決しなければ、再発を繰り返すということです。
 
 まず、足の大きさを測定し、適切なサイズ(長さ・幅・高さ)の靴を選びます。素材も、ソフトなものが好ましいです。歩き方に癖があればそれを直し、外反母趾など、骨の形状の問題も治療します。患者の足に合わせて足底板(中敷き)を作ったり、患部に張って圧迫を均等に分散させるシリコンシートを処方したりすることもあります。
 
 意外と知られていませんが、加齢とともに足幅は広くなります。また、妊娠中と出産後は、むくみやホルモンの関係で足が一時的に大きくなります。靴選びの際の参考にしてください

 

しつこいウオノメを除去する方法は?

 タコもウオノメも、痛くなければ特に治療は要りません。ただし、ウオノメは歩行時に激しい痛みを伴うことが多く、そうなると治療が必要です。
 
 クリニックで行う、ウオノメを急速に凍らせる治療が有効です。新陳代謝を促すことで、本来4週間かかる皮膚の再生を早めることができます。
 
 タコもウオノメも、なかなか治らないときは足の専門医に相談してください。体重を支える足の治療には、特別な注意が必要なこともあるからです。

※後編は、足のイボについて伺います。

 

凍結療法用医療機器「クリオペン(Cryo Pen)」を使った治療の様子。組織を凍結破壊し、除去する。ウオノメやイボの治療に高い効果がある
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林美香先生
Mika Hayashi, DPM

足病医学博士(DPM=Doctor of Podiatric Medicine)。ニューヨーク大学関節疾患専門病院(NYU Hospital for Joint Diseases)提携医師。米国足病医学会(ABPM)公認足病専門医師。足の骨折、ねんざ、腱鞘炎、関節炎、かかとの痛み、水虫、イボ、むくみ、しびれなど、足の病気や悩み、けがの治療と手術が専門。日本の医学学会で講演も多い。

林美香足病科クリニック

TEL
212-682-0043
WEB
http://www.mikahayashi.com/
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