切らない美容整形(前編)

メスを使わない美容整形の希望者が増えているのはなぜですか?

理由はいろいろありますが、一番は手術に比べて回復に時間がかからないことです。

当院で人気があるのは、顔や首、腹部、二の腕などのたるんだ皮膚を引き締める施術です。回復時間には個人差があり、施術部位や方法によっても異なりますが、早ければ1~2日以内に職場復帰できます。

当然ですが、切らない施術には限界もあり、全ての悩みや問題に対処できるわけではありません。例えば、急激な減量後の、余った皮膚の大きなたるみなどのひどいケースでは、手術をした方が良い結果を期待できます。手術の場合、一度の処置で劇的な効果が得られ、効果が半永久的に持続するという利点もあります。

切らない施術と、切る手術、それぞれの長所と短所を理解し、自分に合った方法を選びましょう。


顔のたるみを引き締める施術とは?

「切らない施術」の利用者が増えるにつれ、新しい機器や技術が次々に登場しています。当院は、熱の力によってコラーゲン産生を促す「フラクトラ(Fractora)」という製品を数年前に導入しました。

加齢とともに進む肌のたるみは、コラーゲンやエラスチン(弾性繊維)の減少が主な原因です。フラクトラは、肌に安全な電磁波であるRF(radio frequency=ラジオ波)を直接照射することにより、コラーゲンでできた組織に熱を与えます。熱によって組織が収縮して肌が引き締まるほか、コラーゲン産生が促進され、肌にハリと弾力が回復します。たるみやシワが改善し、きめが整った滑らかな肌になります。

フラクトラは、ハンドピース(手で扱う器具)と本体機器で構成され、本体で熱量を制御します。ハンドピースの先端の、細い針が何本も密集した面を肌に軽く押し当て、針の先からRFを照射します。


施術の効果はいつごろ現れますか?

施術直後、または施術中から違いに気付く人が多いです。フラクトラ開発メーカーのインモード(InMode)によると、施術から2週間後に最も顕著な効果が現れます。

フラクトラは、目の下・額・頬・首のたるみやシワ、こめかみのくぼみ、ほうれい線の改善に使われることが多いのですが、それ以外の部位のシワや肌の変色、ニキビ痕の治療にも有効です。場所や皮膚の状態によっては繰り返し施術が必要ですが、頬のたるみの場合、大抵は1~2回の処置で十分な効果が得られます。


施術中に痛みはありますか?

痛みの感じ方は人によって違いますが、一般的に我慢できないような強い痛みはなく、部位によっては麻酔が不要のこともあります。顔などの皮膚が敏感な部位は、RF照射中にピリピリという刺激を感じることがあるので、麻酔クリームを使います。

施術直後は患部が少し赤くなりますが、普通1~2日ほどで目立たなくなります。


腹部や二の腕を引き締める施術には何がありますか?

これもいろいろな方法がありますが、当院は「ボディータイト(BodyTite)」という製品を使っています。主に、腹部、脇腹、尻、胸、腕、膝、太ももの処置に使います。

フラクトラとの違いは、皮膚の表面と内側の両面からRFを照射することです。皮膚表面に電極を当てると同時に、皮膚にごく小さな切開口を作り、そこから直径2・2ミリのカニューレ(細い管)を挿入し、その先からRFを照射します。RFの温熱作用によって、気になる部位の脂肪を溶かすとともに、たるんだ皮膚を引き締めます。

施術時間は、腹部だけの場合で約30分、腹部、二の腕、脇腹の3カ所の場合で1時間半ほどです。必要に応じて麻酔を使います。

効果は施術直後から分かりますが、コラーゲン産生が進むにつれて徐々に皮膚が引き締まり、体のラインがきれいになります。

回復時間は、施術部位によって1~2日から最大10日ほど。ボディータイトと同じ技術を顔のたるみや二重あごに応用することもできますが、少し腫れや内出血ができるので、それが目立たなくなるまで最低1週間かかるかもしれません。カニューレ挿入による傷は残りません。

※次回は、注射剤とクリニックの選び方についてお聞きします。