先ごろ一周年を迎えた「鮨処 小糸」。高級アパートが並ぶアッパーイーストサイドにあり、テーブル8席、カウンター4席というアットホームな空間が落ち着く。ニューヨークでも数少ない寿司専門の店で、魚の鮮度にかけては目利きのオーナーシェフが、自ら握っている。マグロ、サワラ、エビなど年間を通じて人気のネタ以外にも、他の店には置いていないような季節ものの貴重なネタを、捕れた日だけ提供する。
この時期の旬のネタは「石鯛」と「いしもち」。石鯛は日本では数が少なくめったに釣れないため、「幻の鯛」と呼ばれているという希少な魚だ。身がしまり、濃厚でぜいたくな味わいを楽しめる。いしもちは春から夏にかけて捕れるまさに旬の魚で、さっぱりした味覚と、コリっとした歯ごたえは日本人の味覚によく合う。シャリにもこの店ならではのこだわりがあり、ほんのり甘みのある女性的でマイルドな味付けで、かめばかむほど味が出てくる。
店のポリシーはいつでも本物を提供すること。ネタにこだわり、寿司だけで勝負する自信と姿勢に粋な心意気すら感じる。営業は夜のみ。また握りずし10貫以上の注文で半額になる。
オーナー自らが設計した店内
日本では希少価値の石鯛(左)は身がしまっていて旨みがある。いしもち(右)はクセのないさっぱりした味で、硬めの食感を楽しむ。石鯛1貫5ドル。いしもち1貫4ドル。