観光客を意識した、大衆的な店がひしめくタイムズスクエアにありながら、あえて日本らしさにこだわった本格派和食を提供することで話題の『御美堂』。特徴的なのは、店名の由来でもある、神社の神聖な雰囲気を現代風に取り入れた内装だ。高い天井、深いこげ茶色の木をふんだんに使った壁、木材を巧みに組み合わせた隙間に作られたキャンドル台、天井に飾られた無数のおみくじ…。その場にいるだけで厳かな空気が伝わってくる。
料理長の高瀬英司さんは、「スシ・サンバ」やラスベガスMGMホテルの「渋谷」で腕をふるった名うてのシェフ。彼の手にかかると、お惣菜ですら極上の和食に変身する。なかでも店を代表する味は神戸ビーフのショートリブを使った角煮。焼いて脂を落とした牛肉に複数の野菜と酒をたっぷり入れて2時間煮込み、味付けをして、さらに1時間煮込む。そして、牛肉をいったん取り出し、煮汁と野菜をピューレ状にしたソースをたっぷりかける――。手間暇を惜しまずに作った一品だ。
観光客よりも地元ニューヨーカーで賑わうという『御美堂』。早くも味にうるさいニューヨーカーの心をがっちり捕らえたようだ。
心落ち着く神聖で厳かな空間
箸がすっと通るほど柔らかく、まろやかな味が肉全体に染みた究極の角煮。脂を丁寧にすくい取っているため案外あっさり。17ドル。