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05|Vol. 861|Friday, April 22, 2016®Weekly NY Japion2016年4月22日号(No.861)______________President / Publisher大西 仁 Hitoshi OnishiEditor in Chief田中真太郎 ShintaroTanakaEditor甲斐田雅子 Masako Kaida 五十嵐由紀 Yuki IgarashiDesigner須藤幸子 Sachiko Suto 吉田和恵 Kazue Yoshida 林敦 Atsushi Hayashi 平賀マリー Marie HiragaSales吉田政道 Masamichi Yoshida 清水香里 Kaori Shimizu 二ノ宮祥子 Sachiko Ninomiya 太田一希 Kazuki OtaAccounting釼持雅代 Masayo KemmochiMember, TPNY, LLC 新谷哲士 Tetsuji ShintaniTrend Pot NY, LLC40 Exchange Pl., Suite 1902 New York, NY 10005TEL: 212-431-9970TEL: 1-800-535-6863FAX: 212-431-9960 www.ejapion.com info@trendpot.com©2016 Weekly NY Japion本紙掲載の記事・写真の無断複 写、複製、転載を禁じます。本紙に 掲載された広告内容に関しまして はジャピオンは一切責任を負いか ねます。記事提供:共同通信社 ______________Weekly NY Japion は、トライステ イトエリア(NY・NJ・CT)とボストン、ワ シントンDCエリアで毎週24,000部発 行 し て い ま す 。一 部 レ ン タ ル ビ デ オ店によるマンハッタン地 区オフ ィス デ リ バ リ ー で も 入 手 で きま す 。 www.ejapion.comでもジャピオンの 記事がご覧になれます。再開発の原動力はアジアマネーか か つ つ て て の の 韓 韓 国 国 系 系 移 移 民 民 の の エ エ リ リ ア ア だ だ っ っ た た ユ ユ ニ ニ オ オ ン ン ス スト ト リ リ ー ート ト 周 周 辺 辺 を を 圧 圧 迫 迫 す す る る か か のように巨大コンドミニアムが建つ。中国人市場を当て込んだ再開発計 画の一つだが、写真の建物の投資元は日本企業 今フラッシングを歩くと 目に入るのは新しいビル の建築だ。小さな商店や 安アパートが密集してい た地域は、ほうきで掃いた かのようにきれいに整地 され、高層コンドミニアム があっという間に立つ。不 動産投資の主役は中国 本土の富裕層。といって も五番街の超高級物件 をポンと買うような超金持 ちではなく、もう少し中間 層 に 近 い 小 金 を 持 っ た 人々らしい。フラッシング へのそんな中国マネーの26 68流入は2013年を境に急激に増加している。50万ドルクラスのワンベッドルームが飛ぶように売 れ、購入者の半数以上が中国人というコンドも珍しくないという。オーナーは居住せずに、ニュー ヨークの学校に通う中国系留学生にレンタルするのがお決まりのパターンだそうだ。22 そんな投資ブームのあおりで 新しいタイプのホテルも続々オ ープンした。14年に登場したアジ ア系の「ザ・ワン:ブティックホテ ル(」137-72 Northern Blvd.) は、ロビー、客室ともにモダンな デザインで統一されており、ハイ テク調光システム、オシャレなサ ンデッキ、深めのバスタブなどを そろえ、およそフラッシングのホ テルとは思えないほどシックだ。 9階のスカイラウンジからの眺望 も抜群。利用客は、ほとんどが若る1069 52 30いアジア系ビジネスマン。明らか 近未来的デザインで統一された も、アジア的な装飾が施されていにワンランク上のアジアが進出 ロビー してきている。6710「ザ・ワン:ブティックホテル」のエントランス。モダンで造りの中に651318701847ホームステッドと呼ばれて いる(地図3)。貿易商でも あったキング船長の一家は フラッシング周辺に広大な 農場を保有していた。息子 の代になって、当時すでにこ の辺で盛んだった種苗園を 義父から買い取りビジネ スを拡大。キング一族は1 930年代までこの家に暮 らしていた。キングズラン ドは、2回( 年、 年)の 移築を経て現在地に落ち 着き、今では博物館となっ ている。2階に保存されて いる一家の最盛期1870 年代当時のインテリアは必 見。随時開催されるクイー ンズをテーマにした企画展 も興味深い。図4)。今の季節は枯れてい るが初夏になると緑の若葉 で覆われ壮観。もともとこ の場所には、種苗園時代の 園芸家サミュエル・ボウン・ パーソンズが 年に植えたも目を引く。フラッシング がニューヨーク市に併合さ れてからは、簡易裁判所な どに使われていたが、戦後 は打ち捨てられ廃墟状態 に。1995年に大改修さ れ、現在は文化センターと して「活躍」している。アジ アの民族芸能のパフォーマ ンスなど地元に根ざしたユ ニークな演目が多い。のが、2000年には ・ ザートのフルーツジュース%を占めるのが中国系だ。   なので、フラッシングに行 ったら中華料理を食べずに は帰れない。ところがあま りにもたくさん店があり すぎて、どこに入ったらい いか分からない。漢字看板 の氾濫にめまいさえ覚え る。そんな中、初心者にお 勧めしたいのが、メーンス トリートとルーズベルトア ベニュー の 角 に 位 置 す る ングに目を向けておこう。 「ニューワールドモール」の 今この町で一番元気がある 地下フードコートだ(地図 議会堂だ(地図5)。186 のは、何と言ってもアジア 6)。太いの細いの白いの黄 2年に地元の建築家が設 ン。1990年には地域人 色いのとあらゆる中華麺 るのがウィーピングビーチ 計したネオロマネスク様式 口に占めるアジア人の割合 類が食べられる他、ギョー (しだれブナ)の大木だ(地 の建物の威容は遠くからで は ・1%に過ぎなかった ザ類、台湾屋台料理からデ  キングズランドに隣接す「しだれブナ」の名木が高さ メートルにまで成長して 立っていたが、1998年 に「老衰」ゆえに151年 の「樹命」を閉じた歴史が ある。現在の木はその後に植えられたものだ。  世界中から集まる種苗アジアパワーの位相変化  そして忘れてならない韓 国系アメリカ人。アジア系 の中で占める割合は ・3 %だが、 年代に荒廃した この町を再生させた立役 者は韓国系の移民である。 彼らは 年の米国の移民 法改正と同時にどっと流入 した。の取引場所として人・モノ・   さて、過ぎ去りし日に思 金が集まっていた 世紀の いを寄せるのはたいがいにフラッシング。そんな繁栄の 時代を象徴するのが、ノー ザンブルバードにある旧町して、この辺で今のフラッシ4%、 年には実に ・2まで 以上の専門店が一堂 に会し、すべて本場仕込み。 しかも一品が ドル以下と お手頃で、清潔である。マン ハッタンやブルックリンに もこれだけバラエティー豊 かな中華スナックが結集す る場所はない。お好みの店 から買い集めたスナックを 仲間でつつき合うのも楽し い。%にまで膨れ上がっている (ニューヨーク市立大調べ)。そのアジア人のうち  かつては地下鉄の駅前に ハングル文字がひしめいて いたが、今はメーンストリ ートと平行する南北の大 通りユニオンストリート 沿いに韓国系の小さな食 料品店、美容院、日用雑貨 店、カジュアルなレストラ ンが身を寄せ合うように 集まっている(地図7)。古 くからフラッシングを知る 韓国系の女性は「最近はす っかり中国系に押されてダ メよ」と嘆く。昔、飲み屋や 食堂が密集して庶民的で 活気のあった韓国系エリア は、ぞくぞく中国系の人々 に買収され、大きなコンド ミニアムに再開発されてい る。韓国系の人々はゆっく りだが確実に東に向かって 移住を迫られている感じで ある。最近では、ロングアイ ランド鉄道のマレーヒル駅 周辺(地図8)に、焼肉店や カラオケ店が続々と誕生。 むしろこのエリアの方がユ ニオンストリートより活 況を呈している。


































































































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