2018/09/21発行 ジャピオン985号掲載記事

集まれ みんなの広場

NY神楽チーム

迫力満点の大蛇
伝統の神楽を演じる

17メートルの石州(せきしゅう)和紙でできた3匹の大蛇(おろち)が、マンハッタン区ミッドタウンのスタジオで所狭しと暴れ回っている。島根県の石見地方に伝わる石見(いわみ)神楽の中でも人気の演目「大蛇」の稽古に励んでいるのは、ジャパン・パフォーミング・アーツ・インク(JPA)「NY神楽チーム」の面々だ。 

この日は、アトランタのジャパンフェストと、今月29日(土)のニューヨーク市のガバナーズ島での公演に向けての稽古が行われた。指導に当たるJPA代表の濱田裕子さんによると、「大蛇は通常男性が舞いますが、JPAでは女性も頑張っています」。

大蛇が水の入った樽に見立てたバケツを奪い合うシーンでは、歌・掛け声・MC担当の芝亮さんが、「音楽とバケツを受け渡すタイミングを合わせて」と大蛇役3人に声を掛ける。大太鼓や小太鼓、横笛などのリズムに合わせて重く長い胴体をくねくねと動かす大蛇たち。動きと音楽がぴったり合って、「オーケー! かっこいいです」と濱田さんからゴーサインが出た。

後半は、日本神話の神・スサノオ役の酒井正嗣さんが木刀を振りかざして、3匹の大蛇と戦うシーンの稽古に入った。一番盛り上がる重要なシーンで、濱田さんはさらに細かく指導したが、大蛇の演者らは見事にこなし、「皆さん、素晴らしかったです!」と濱田さんは大きく拍手した。

大蛇担当の3人はいずれも、アルビン・エイリー・ダンススクールの学生だ。「体力が持っていかれます」と汗を拭う西岡翼さんは、「細かく丁寧に教えてくれて、何度でもやり直しさせてもらえます。神楽を実際に自分が舞うことができて楽しいです」と、初舞台となる次回の公演に向けて稽古を重ねている。 

宮奨さんは団員歴1年半。「全身で表現するダンスと違い、神楽では大蛇のしっぽと頭による表現が必要なので、いい経験になっています」と、伝統芸能を伝えていきたいと言う。

中村若葉さんは「女の子が大蛇をやっているのを見て名乗り出ましたが、予想以上に大変で体力勝負です」と言いつつ「やったことがなかったので、面白い経験になっています」と目を輝かせていた。

大太鼓担当のライリー・スマラさんは「日本舞踊のダンサーの妻からグループのことを聞いて3年半前に太鼓を習い始め、神楽チームに誘われて参加しました。皆で一緒に音楽と踊りに挑戦するのは、ダイナミックでとても楽しい」。日本の伝統芸能は、海を越えて受け継がれている。

ジャパン・パフォーミング・アーツ・インク主催の「NY神楽チーム」は、アメリカで石見神楽を演じる団体。スサノオ役の酒井正嗣さんが木刀を振りかざして稽古に励んだ
︎総勢11人のメンバーたち。演奏者は全員未経験からスタートした
神楽の進行に合わせて演奏する。演目の一部に、観客を巻き込んだ演出を取り入れるなど工夫している
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酒井正嗣さん(左)・芝亮さん
私は石見地方出身で、小さい頃から石見神楽を見て育ちました。神楽は日本書紀などに端を発する日本の文化の先駆けなので、この素晴らしい日本の郷土芸能を米国で育てて、残していきたいです。中でも「大蛇」は見応えのあるとても楽しい演目なので、一人でも多くの人に見ていただきたいです。芸能に興味を持っている人なら、年齢や経験を問わず誰でも歓迎です。(酒井)

日本でも有名な石見神楽をパフォーマンスしているので、中途半端なものにせず、世界のどこに出しても恥ずかしくないようにと頑張っています。日本の文化の重みを、情熱を持って表現してみたい人にぜひ参加してほしいです。(芝)

メンバー募集中

NY Kagura Team

舞と奏楽を別々に、それぞれ参加者の都合の良い時を話し合い、スタジオ(244 W. 54 St., 10 Fl.)で稽古をしている。舞手と演奏者を常時募集。年齢、性別、経験を問わず参加できる。参加費無料。
【問い合わせ】
TEL: 212-262-0234
info@japanperformingarts.org

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