2018/06/22発行 ジャピオン972号掲載記事

集まれ みんなの広場

日本画ワークショップ

伝統的な技法を体験
日本画を知り、描く

 館内にあでやかな桜の日本画が並ぶ、チェルシーの郷(さと)さくらギャラリーで、「日本画ワークショップ」が行われた。

 講師はインウッドを拠点に活動する日本画家の原田隆志さんと佐藤可英さん。「きょうは日本画の画材を使って、伝統的な絵画技法で桜を描きましょう」と原田さんが声を掛ける。

 桜の絵のお手本が参加者に配られ、日本画の意味や歴史の解説から、日本画用の天然の鉱石を砕いて作られた岩絵の具の説明に移った。「白は貝の殻の粉を砕いた胡粉、そして岩赤、岩黄、といった5色と墨に、画面と絵具を接着する膠(にかわ)を使います」と原田さんからひと通りの解説が終わると、お手本の桜の絵のトレースからスタート。

 「日本画は自分が対象物から感じた『写意』で描くものです。リアルに描く必要はないので、物の本質を感じてイメージを表現してください」とアドバイスする原田さん。佐藤さんは、トレースした絵を上書きする筆の使い方や、墨の付け方を指導して回る。岩絵の具に膠を入れて練る作業では「中指で100回くらい練ると、色が変わってツヤが出ます」と実践してみせる佐藤さん。

 桜の花びらや葉を塗り重ねていき、ついに完成。参加者は初めての作品を手に、顔をほころばせていた。

 アートアドバイザーのアナベル・バーホイさんは、「以前コレクターのためにこのギャラリーで絵を購入したのが縁で、クラスに参加しました。日本画の伝統的なテクニックはとても興味深かったです。一つずつ段階を踏みながら完成させていく手順は、まるでメディテーションのよう」と、心休まるひとときを楽しんだ。

 アーティストの諏江まゆみさんは、「日本画は深いですね。普段はアブストラクトな絵を描いているので、きょうは全く違う経験ができて楽しかったです。先生も質問にすぐ答えてくれるので、とても勉強になりました」と喜んでいた。

 「日本画を基礎から教えてくれる実践的なクラスは他にないので、参加したかった」と話すのは、グラフィックデザイナーのシンシア・キムさん。「日本画は特別な絵の具を使うことも初めて知った。たくさん知識を得られました。これからは日本画の作品を見る目が変わります」と、2時間があっという間に過ぎたと話していた。

 講師の2人は、「日本画家として、日本画の伝統的な技術や素材をできる限り次世代に伝承し、世界に広めていきたいという思いで教えています」と語った。 

クラスでは日本画の歴史と意義について学び、岩絵の具、墨、紙、筆などの日本画の画材の使い方を習得して、作品作りを実践する
クラスの参加者は初めて日本画材に触れる人がほとんどで、この日も国籍もさまざまな参加者やアート関係者が集まった
原田さんの解説と佐藤さんのアドバイスで、美しい桜の絵が仕上がっていった
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佐藤可英さん(左)・原田隆志さん
 日本画とはどういうものなのかを皆さんに理解してもらうことを目的にしています。日本人でも日本画を知らない人が多く、墨絵を想像される人も多いのですが、クラスではカラフルな岩絵の具を使って自分で描きながら、理解を深めてもらいます。初心者対象で、日本画の歴史や意味から始まり、絵の具や筆の説明や使い方、描き方といった基本から学んでもらいます。

 日本画の伝統的な技法を教えるクラスは他にないので、知りたい人も多く、一度体験すると面白くなって興味を持たれるようです。まずは日本画の絵の具や筆を使って、伝統的な技法で描いてみてください。基本的な素材選びのアドバイスもしますので、気軽に参加してください。

メンバー募集中

Nihonga Class

チェルシーの郷さくらギャラリー(501 W. 20th St.)で、不定期で開催している。参加費60ドル(教材費込み)。日程などの詳細はウェブサイトを参照すること。

MAIL
info@matsui55.org

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