2018/05/11発行 ジャピオン966号掲載記事

集まれ みんなの広場

アート・フォー・トッツ

美術館で作品作り
家族でアートに触れる

土曜日の朝、クイーンズのイサム・ノグチ美術館の地階、エデュケーションルームに、「アート・フォー・トッツ」の参加者が集まってきた。2歳から4歳の子供と一緒に家族で参加するアートプログラムで、2005年から指導に当たっているのが同館教育部の教育者、織晴美さん。織さんは、「毎回違うテーマに沿って親子でアート作品を作り、ノグチの作品を見て考えて理解を深めます」と語る。

今回のテーマは「アートの中のリズム」で、「『くり返しアート』を、野菜を使って作りましょう」と織さんが呼び掛ける。切ったピーマンや芽キャベツの表面に、赤、青、緑のインクをつけて、大喜びでペタペタと紙に押していく子供たち。「同じ形のものはある?」「色や形のくり返しだね」と、織さんが声を掛けて回る。

「では、ノグチおじさんのこの作品を探しに行きましょう」と織さんから、「くり返し」があるノグチの作品の写真を渡されて、みんなで一階に移動。その作品を探しながら、ギャラリー巡りを楽しんだ。

再度部屋に戻ると、壁に貼った子供達の作品をみんなで見ながら意見をシェアする。織さんが一人一人に「自分の絵の、どの繰り返しの部分が好きかな?」と聞くと、子供たちはそれに答えていく。クラスでは特に、みんなで気持ちや考えを共有することを大切にしているという。

シンガルさん家族は麻里子さん、ソロブさんと、ソルくん(2歳)の3人で参加。「子供の集中力に合わせた時間配分がとてもいいです。息子は先生の話を聞いたり、みんなで集まって話すことがあまりないのでいい機会です。美術館では作品に触ってはいけないとか静かに鑑賞するといったマナーも身に付きます」と、家族で楽しんでいた。

コンサルタントの食見(しきみ)多佳子さんと英茉(エマ)ちゃん(3歳)親子は、友達からすすめられて初参加。「小さな子供でもアプローチできる野菜を使ったテーマが面白かったです。ギャラリーに行って実際に作品を見て回るのもいいですね」と喜んでいた。

山崎由里さんとゴンザロ・オタスさん、くららちゃんの家族も初参加。「いろんな気付きをもらいました」と言う由里さんは、「美術館での作品鑑賞のポイントを日本語で学び、ノグチの作品と連結した作品制作をして、ギャラリーでテーマに着目しながら作品に触れられるのが楽しかったです」と大満足。

織さんは、「本物のアートに触れる体験を、家族でぜひ体験して欲しいです」と話していた。

子供と一緒に家族で参加するファミリープログラム。家族で作品制作をしたり、ギャラリーでの作品鑑賞を体験しながら、みんなで美術に取組むことを目指している
毎回平均5〜10家族が参加。日本語が理解できれば、国籍を問わず誰でも家族で参加できる
自分の作品を作った後は、その日のテーマに沿ったノグチの作品を美術館で探す
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織晴美さん
1985年に開館したノグチ美術館は、「コミュニティーと教育のためにこの場所を使う」というミッションを持っています。ファミリープログラムは、それを継承するために、ノグチの作品を通じて、テーマについて家族で一緒に話し合って考えて、作品を作り、ギャラリーで作品を見て、アートを理解するという内容になっていて、実際に美術館の中で行うのはとてもぜいたくなことです。2005年の開始当時は、2歳から4歳対象の家族用のアートプログラムがなかったので、子供が本物のアートに触れて学ぶクラスの先駆けとなりました。次回は「描こう! 私のまわりの線」です。今後もいろいろなテーマを取り上げますので、アートやノグチに興味のある人は、ぜひ参加を。

メンバー募集中

Art for Tots

月に1、2回、2歳から4歳対象の日本語のファミリープログラムを、クイーンズのイサム・ノグチ美術館(9-01 33rd Rd., Queens)で開催。親子で参加。4人までの1家族につき10ドル(美術館入館料も含む)。要予約。また、5歳から11歳対象の「アート・フォー・ファミリー」や英語でのプログラムなども開催。

WEB
http://www.noguchi.org/programs/education/families
MAP
9-01 33rd Rd., Queens

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