2018/03/23発行 ジャピオン959号掲載記事

集まれ みんなの広場

フェローシップ・フォー・ジャパン

「忘れていない」を伝える
被災地とNYつなぐ式典

 3月4日、多くの日本人が、アッパーウェストのクリスチャンサイエンス教会に足を運んだ。東日本大震災の被災地に「ニューヨークは忘れていないよ」という声を届ける追悼式典「トゥギャザー・フォー・3・11」の時期が、また今年もやって来たのだ。

 この式典は参加無料で、ボランティア組織「フェローシップ・フォー・ジャパン」のメンバー13人を中心に、当日ボランティアによって運営されている。式典と言えど、至ってカジュアル。集まった約440人は、久々の再会を懐かしむ明るい声を上げていた。

 「今日たまたまフライヤーを見て初参加を決めました」というイボン・デシマさん。「震災という悲しい出来事に関する式典ですが、皆さん笑顔で、とてもハッピーな雰囲気ですね」とほほ笑む。

 式典で披露される児童合唱に、娘さんが毎年出演しているという獣医の添田晋吾さんは、「震災直後は息子が生まれ、直接被災地への手助けが難しかったので、この式典には毎年欠かさず参加します」と語り、「被災地とニューヨークを真剣につなげている」と式典を高く評価した。

 まず主催者であるシンガーソングライターのAKさんがあいさつを述べ、キャンドルサービスが行われた。暗闇の中、配布されたミニキャンドルが参加者の手元で淡く浮かび上がる。

 同式典の大きな特徴として、震災を過去のものとせず、「今」の被災地の姿をニューヨークに届けるというものがある。今年も福島県知事や岩手県の非営利団体代表、震災発生後に生まれた福島県内の保育園児らなど、多角的な視点での復興の様子がビデオメッセージで語られた。

 さらにゲストスピーカーとして、ニューヨークで活躍する宮城県出身のイラストレーター大友あかりさん、そして福島県立ふたば未来学園高等学校の生徒代表が登壇。大学入学の年に起きた震災が、常に授業のテーマとなった大友さんは、「残された時間を生きているという、はっきりした意識を持つようになった」と言い、放射能汚染への誤解から避難先の県外校で壮絶ないじめを受けたという同校生徒代表は「『私にはまだやるべきことがある』と思って自殺を思いとどまった」と当時を振り返る。自分に偽りない真っすぐな言葉に、会場は割れんばかりの拍手で応えた。

 会場全員での「ふるさと」の合唱後、感極まったように目元を押さえる人の姿もあった。ニューヨークにも、被災地を思う心は、確かに生きている。

今年は約440人が参加。家族連れ、友人同士、一人での参加などさまざまだが、被災地にはせる思いは皆同じだ
福島県立ふたば未来学園高等学校の生徒代表たちは、この式典のために福島から来米。スピーチ後には明るい笑顔を見せていた
「風の環少年少女合唱団」による恒例の合唱は、「さくらさくら」翼をください」などを披露
COMMUNITY_959_1

AKさん
 震災が起こったときはニューヨークにいて、「自分の故郷がこんなことに」とあまりに悲しくなり、何かせずにはいられなくなりました。募金活動を立ち上げましたが、数カ月が過ぎると徐々に活動が減少。横のつながりを作ろうと思い立ち、いくつかのグループの代表らを誘って、フェローシップ・フォー・ジャパンを立ち上げました。7年前の第1回目の記念式典では1000人以上が参加し、以来3月11日の前週の日曜日に、この追悼式典を開催しています。

 今年は、当日ボランティアとして60人以上が会場を手伝ってくれました。来客に式次第を配ったり、募金を募ったりと、とてもありがたいです。来年以降ご興味がある人は、ぜひご参加ください。

メンバー募集中

Fellowship for Japan

来年度の開催に向けた、当日ボランティアの参加希望は、下記ウェブサイトまで。

WEB
http://www.facebook.com/togetherfor311

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