2018/03/09発行 ジャピオン957号掲載記事

集まれ みんなの広場

日本クラブ女声コーラス部

30周年演奏会に向け
声で奏でる日本の心

 女声コーラス部のメンバーがミッドタウンの日本クラブに集まってきた。この日は、3月10日(土)に開催する第30回記念演奏会に向けた練習で、いつも以上にメンバーの顔からはやる気が感じられる。

 「最後の仕上げです。ここで一流レストランの味になるか、二流の味になるかが分かれるので、頑張りどころですね」と語るのは、指揮者の尾島陽子さん。部の創設以来、30年間ずっと指導にあたってきた。

 ストレッチと深呼吸で準備を整えた後、「マ」や「フ」の音などさまざまな音を念入りに発声していく。この日は演奏会の第2部で披露する、小林秀雄作曲・峯陽作詞の合唱組曲「こころの風土記」を完璧に仕上げるのが目標。川や鬼など日本人の心に住む懐かしい情景を描く歌で、4曲から構成される組曲は、それぞれメロディーが違うのが難しいところだ。

 「ここはララーと走らずに、ランラーです。リズムをしっかり取りましょう」「エの音は頬骨をもっと上げて出してみて」と尾島先生の指導が入る。複雑なメロディーを正確かつ表情豊かに歌い上げるメンバーの眼差しは真剣そのもの。

 組曲は全曲を途切れなく歌うため、歌い手の表現だけで一曲一曲の、雰囲気をガラリと変える必要がある。この日も全曲を通して歌い、修正が必要な部分だけ、丁寧に繰り返していく。歌だけではなくピアノの伴奏にも細かく指導が入り、本番に向けて、チューニングしていく。

 昨年10月、、オープンハウスをきっかけに入部したスィウ・典子さん(ソプラノ)は、「最初は楽譜を読むのも必死でしたが、先輩たちが自宅で新人のために強化合宿を開いてくれるので、心強い」と楽しそうだ。

 今回コンサート初出演となるブリクバーグ・由美さん(メゾソプラノ)は、「もともと音楽は苦手で、ここに来たのも知人に会いに来ただけだったんです」とはにかむ。温かく迎え入れてくれたメンバーと、人生そのものを導くような尾島さんの指導に魅了され、今は1時間かけて練習に通う。「来たいと思わせる、ひきつけるものがあります」と語る。

 1年半ほど前に東京から当地に引っ越してすぐに参加したという、フィンランド大使夫人のリーサ・ビルタモさん(アルト)は、部に所属して歌うことは日本とのつながりを保つ手段と語る。「音楽は人をつなぎ、世界平和にも貢献できます。日本語で歌うことは私にとっては挑戦ですが、皆が助けてくれるので安心」と笑顔を見せた。

3月10日の30周年記念コンサートに向け練習に力が入る日本クラブ女声コーラスのメンバー。歌詞のつづる情景が観客に伝わるよう、丁寧に声を合わせていく
さまざまなバックグラウンドのメンバーと交流できるのも魅力。途中のコーヒーブレークはメンバー同士の話に花が咲き、にぎやかだ
特訓の会を独自に開いたりとパートごとの結束も固い
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尾島陽子さん
 もともとは日本クラブの婦人部傘下のコーラス部でしたが、2年半前に婦人部がなくなったため、もっとオープンで参加しやすい部にしました。メンバーの強みは理解力。歌にはイマジネーションが大切です。それぞれの歌の表現方法やイメージを私が指導しますが、皆さん吸収するのがとても早いです。インプットすると、とても良いものが出てくるという印象がありますね。婦人部がなくなったときには多少の先行きの不安がありましたが、今のメンバーの多くがその時期を共に乗り越えてくれた仲間です。30周年を迎えられることに感謝するとともに、心強いなという気持ちです。コーラス部には日本クラブの会員でなくても参加できるので、ぜひ見学にいらしてください。

メンバー募集中

The Nippon Club Women’s Chorus

毎週木曜日午前10時から12時30分、ミッドタウンの日本クラブ(145 W. 57th St.)で練習。第30回記念演奏会は10日(土)午後7時からジャパンソサエティ(333 E. 47th St.)で開催。

MAIL
womens.chorus.nc@gmail.com
WEB
http://www.nipponclub.org/chorus

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