2018/02/23発行 ジャピオン955号掲載記事

集まれ みんなの広場

雅楽教室

和楽器が奏でる音色
日本古来の世界に酔う

 音楽演奏実技プログラムの一環として2006年にスタートした、コロンビア大学中世日本研究所・日本文化戦略研究所の「雅楽・邦楽プログラム」。同プログラムが開講する「雅楽教室」の練習に参加する人々が集まってきた。同研究所副所長の青木健さんによると、「和楽器に興味のある学生を中心に、年に何度か開催される発表会のために、和楽器と歌の練習をしています」とのこと。

 この日はルイーズ佐々木さんの指導のもと、3月に開催する同研究所50周年記念コンサートと4月の学期末発表会に向けての練習が行われた。参加者は、「篳篥(ひちりき)」「龍笛(りゅうてき)」「笙(しょう)」などの和楽器を手に、音合せに余念がない。

 音合せの後、ルイーズさんの手拍子に合わせて全員で演奏する。コンサートで演奏予定の古典曲「越天楽(えてんらく)」と朗詠「嘉辰(かしん)」の練習に入った。神社の行事で聞いたことがある和楽器が奏でる独特の音色が響き合うと、平安時代にタイムスリップしたような不思議な感覚に陥る。

 手で膝をたたきながら拍子を取って曲の旋律を歌う唱歌(しょうが)の練習も行う。雅楽の習得はまず唱歌で歌を覚えることから始まるそうだが、同クラスでは最初から楽器の練習も平行して行う。

 「唱歌はとても難しいですが、皆が一緒に学んで演奏することがとても大切」とのルイーズさんの言葉に、参加者はうなずき合っていた。

 龍笛を練習中の同大学生のコール・ワグナーさんは、「録音して繰り返し練習しています。難しいですが、先生が時間をかけて丁寧に教えてくれるので、助かります」と話す。チェロや箏(こと)も演奏するそうで、西洋と東洋の両楽器演奏を楽しんでいる。

 「雅楽にインスパイアされた作曲家はたくさんいます」と言う、作曲家でアコーディオン奏者でもあるルツィエ・ヴィトコバさんは2年前から参加。「今は篳篥を練習中ですが、これをマスターしたら次は笙に挑戦したいですね」と練習に励む。

 雅楽演奏グループ「伶楽舎」の演奏を聞いて衝撃を受けてクラスに参加したという、同大大学院生で音楽理論を勉強中の籾井(もみい)徹さんは、「西洋音楽は頭で理解しますが、体で覚えることの大切さを雅楽から学びました」と、笙の練習に集中していた。

 青木さんは、「コンサートには日本からも演奏家を招き、古典と現代の両方の曲を披露します」と話す。

クラスは第1部と2部に分かれ、この日は第1部を開催、第2部では人形や模型を使って、新生児の世話やおっぱいマッサージを実践する
ニューヨークやニュージャージー州だけでなく、コネティカットやペンシルベニア州からの参加者もいる
参加カップルの3組はいずれも初出産。米国での出産を控えて熱心に耳を傾け、質問も飛んでいた
COMMUNITY_955_1

ルイーズ佐々木さん
 16歳の時に日本で初めて雅楽の演奏を聞いて、その美しい音色にすっかり魅了されてしまいました。歌の内容は難解で理解できませんでしたが、その音色を聞いているとメディテーションのように心が平穏になりました。UCLAで雅楽を学んだ後、このクラスで教えています。参加者はコロンビア大学の音楽専攻の学生が多いですが、卒業後も雅楽の演奏を続けてくれているのでとてもうれしいです。クラスではまず、篳篥、龍笛、笙の吹物(管楽器)の中からやってみたい楽器を一つ選んで、約半年間練習を重ねてマスターしてもらいます。日本人でも雅楽はなかなかなじみがないと思いますが、この伝統的なユニークな音色をぜひ体験してほしいです。

メンバー募集中

Gagaku Class

毎週木曜日の午後6時から7時30分に、コロンビア大学(on 116th St. at Broadway)のドッジホールで実施している。楽器の貸し出し可。3月31日(土)午後4時から、同大学内ミラーシアターで50周年記念コンサートを開催する。入場無料。

WEB
http://www.medievaljapanesestudies.org

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