2017/10/27発行 ジャピオン939号掲載記事

集まれ みんなの広場

NY/ NJ弓道会

美しく力強い立ち姿
弓道で心と体を磨く

 ニューヨーク・ニュージャージー弓道会(バージニア弓道連盟)主催の米国東海岸地域弓道大会が10月9日、ジャージーシティーの体育館で開催された。

 同会代表の高田史子さん(五段)は、「いつもここで練習していますが、通常は、他のクラスと一緒に使うので、短距離の練習になります。今日は本来の規定(近的)の28メートルで射る貴重な機会です」と語る。

 この日はフロア一面を使い、5人が立てる射場と、土を盛る代わりに専用ネットを吊るした的場が設けられた。今回は、バージニアなど他州からの参加者が集う地域大会で、来年日本で開催される世界弓道大会に出場する選手の選考も兼ねている。そのためか一同の表情は真剣そのものだ。

 開会式と大会の成功と無事を祈願する「矢渡し」の儀式がクリストフ・シエンキーウィックさんを射手として行われた後、5人ずつ射場に入り、それぞれ4本矢を射るトーナメントが始まった。袴に身を包んだ選手たちが射場に入場する。弓道は的に当たった矢の数だけでなく、「足踏み」「胴作り」「矢構え」といった、射るまでの動作、矢を放った後の姿勢、「残身」までが大事とされる競技。それぞれの動作は力強いが静かで、会場には、弦を弾く音と矢が的に当たる音だけが響く。高田さんは「普段から体配、歩き方、お辞儀の仕方まで、一つ一つの動きを繰り返し丁寧に指導しています」と語り、生徒たちの立ち姿を見守る。

 二巡の射的を終えた結果、シエンキーウィックさんの優勝が決定。2位は的中でターニヤ・ピエントンさんとポール・ミリントンさん(ともに二段)が続いた。

 30年以上前、日本滞在中に弓道を習っていたミリントンさんは、長いブランクの後、5年前に同会に加入した。「このグループは何と言ってもメンバーの人柄がいい。そして先生の指導が丁寧でいい」と語り、「(弓道は)精神的な鍛錬にもなるのが魅力」とほほ笑む。

 入会1年半ほどだが、「筋がいい」と高田さんが太鼓判を押す織戸日向子さん(二段)は、「10年間やってきた空手にも通じる所作の細やかさにひかれました。どのタイミングで息を吐き、どの足でステップを踏むかなど、簡単に見えて実は複雑で奥深い」と話す。

 「弓道には歴史と哲学があるのが魅力」と語るレイモンド・ティーセルさん(一段)はアップステートから電車で2時間かけて練習に通っている。「弓道で学んだ我慢する、焦らない姿勢は、日々の仕事にも生かされます」と穏やかな表情を見せた。

ニューヨーク・ニュージャージー弓道会主催の米国東海岸地域弓道大会には同会メンバーに他州から参加者を加え、合計18人が出場した
大会に出場したニューヨーク・ニュージャージー弓道会のメンバー。現在、同会には約30人が所属している
大会優勝者のクリストフ・シエンキーウィックさんは、今年五段に昇段。この日は「矢渡し」の大役も務めた
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高田史子さん
アメリカに長期滞在すると決めた2006年、自分が伝えられる日本の文化は何かと考え、高校で初段を取得していた弓道が浮かびました。レッスンは日本の武道の教えの基本を大切にしつつ、かつアメリカ人も楽しんでもらえるように工夫しています。現在、一年に一回米国各地で開催される全米大会の当地への招致を目指しています。

 アニメなどからの日本への興味、道着の格好良さ、メディテーションの一種として、など弓道を始めるきっかけは何でもよいのですが、続けることで体得できることがあるので、クラスに通い続けて上達してほしいです。経験者でも、初心者でも歓迎します。

メンバー募集中

NY/NJ Kyudo Kai

毎週金曜日午後7時半からジャージーシティー(180 9th St., Jersey City, NJ 07302)で、日曜日午前9時半からマンハッタン(325 Park Ave.)で開催。15歳から上限なしで参加可(15〜18歳は保護者の同伴が必要)。

MAIL
info@nynjkyudo.org
WEB
http://www.nynjkyudo.org

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