2017/04/07発行 ジャピオン910号掲載記事

集まれ みんなの広場

ブルックリン日本語学園

独自のカリキュラムで
児童主体の日本語教育

 2011年に、非営利団体「ブルックリン日系人家族会(BJAFA)」が、継承語としての日本語が学べる場として開設した「ブルックリン日本語学園」。全米日本語教師会、米国北東部日本語教師会、母語・継承後・バイリンガル教育会員として継承語教育に携わる中野友子学園長を中心に、ユニークなプロジェクトを盛り込んだカリキュラムが組まれている。

 例えば4、5年生のクラスでは、詩と俳句をテーマにした授業が行われ、詩集を作って家族の前で読み聞かせをするというゴール設定をし、生徒自らモチベーションを持たせている。

 祥子・ダミット先生が教える6年生クラス「卑弥呼組」では、手塚治虫に関する学習を「まなブック」という小冊子にまとめる授業が行われていた。「手塚治虫のここがすごい、というところを三つカードに書きましょう」との指示に、考えこむ生徒たち。「じゃあヒントを一つ。彼の行動ですごいと思ったところは?」とボードに「行動」と書いて質問すると、「映画館でディズニーの『バンビ』を1週間ずっと見続けたところ」と答える生徒。「月に3日しか寝てなかった時があったよね。そういうのをエピソードと言います」と「エピソード」と書き加える先生。やりとりから生徒は今までの授業を思い出し、次々に答えが出てきた。

 「聞く・話すことに力を入れていて、先生と生徒のコミュニケーションも重視しています」と話す同学園ディレクター、美紀・ヤンさんの言葉も納得できる。

 娘のアデル・バータルトちゃんをプリKに通わせる杉本純子さんは、「漢字やひらがなも、この学校独特の教え方で覚えさせてくれるので身に付いています」と言う。同じ漢字を何十回も書かせるのでなく、成り立ちから関連性のある漢字を集めて意味を学ぶので、覚える力も違うという。

 日本の伝統行事が多く取り入れられているのも同学園の特徴で、マンハッタンから娘を通わせている白方洋子さんは、「娘の美沙(2年生)には、日本語だけでなく日本の伝統や文化を経験させたいので、豆まきや運動会など日本の行事があるのがいいです」と話す。建築事務所勤務の小出御与子(みよこ)さんも、「4年生の息子の澪音(レオ)は、毎回イベントを楽しみにしています。学校は一人一人をよく見てくれて、子供の個性を尊重してくれます」と喜ぶ。

 中野学園長は、「各生徒の個性に合った教え方で、自分で考えられる子供を育てていきます」と熱心に話してくれた。

現在の児童数は約130人。バイリンガルやマルチリンガルを目指し、学習知識を日本語と現地語の英語で共有できる独自のカリキュラムを提供。写真は6年生のクラス
長沢千秋先生が担当する、4、5年生クラス「須佐乃男(スサノオ)組」の児童たち
クラスにはアシスタントが付き、さらに高校生や大学生の学生ボランティアが入ることもある
COMMUNITY

中野友子さん
 現地校のカリキュラムをベースにして、日本語による継承教育を行っています。一人一人の個性と自主性を伸ばし、広い視野と柔軟な思考を育てる総合教育に力を入れているので、授業はテーマを中心にして、国語や算数、工作などさまざまな教科に活動を広げる「テーマ学習」を行っています。親子が交流する事を狙ったオープンエンドの宿題を通して、日本語のスキルアップを図っています。

 子供はコミュニティーのために頑張っている親の姿を見て育つので、教師のサポートやイベント活動に関わり、子供の日本語学習を孤立させず、家族みんなで支援する家庭を作っていただきたいと願っています。

メンバー募集中

ブルックリン日本語学園

毎週土曜日午前9時20分〜午後12時20分(延長時は午後2時まで)に、ブルックリンのPS261(314 Pacific St.)で行う。新プリK入園説明会を5月13日(土)午前10時に実施。高学年はウエーティングリスト受付中。中等部6年生も随時募集。

MAIL
nihongogakuen@bjafa.org
WEB
http://www.bjafa.org/nihongogakuen

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