2017/02/10発行 ジャピオン902号掲載記事

集まれ みんなの広場

コンテンポラリー・ボロメンディング

継ぎ当てがクール
ボロ布で繕って再利用

 個性的なカフェやショップ、そしてアーティストのスタジオが並ぶブルックリンのブッシュウィック。土曜日の午後に、ここで「コンテンポラリー・ボロメンディング」のオープンクラスが行われている。「ボロメンディングとは、穴が開いたりほころんだところに、ボロきれや古い当て布でつはぎをして繕って、再利用することです」と説明するのは、日本の伝統工芸のワークショップや展示会などを開催している「Curious Corners」主宰の遠山清香(さやか)さんで、「今、時代的にも、新しいものよりパッチでつぎ当てしたスタイルが格好良いという考えがはやっている」そうだ。

 参加者は穴が開いたりした繕いたいものを持参するだけ。当て布や糸をはじめ、裁縫に必要な道具は全てそろっているので、そこから自由に選んで使える。ここでは昭和初期頃の藍染めの古布や、草木染めのさし子糸を提供しており、日本の伝統的な優れものにこだわっている。

 インストラクターのローザ・チャンさんが、参加者の持参したものを見て、穴やほころびに継ぎ布を当てるか、パッチを作るかといった繕う方法を話し合う。

 方法が決まったら、それに合う藍染めのハギレと糸を選んで縫っていく。糸止めなどの裁縫の基本も丁寧に教えてくれる。

 この日親子で参加した高校勤務のティナ・サウディさんと息子でフレームメーカー勤務のアレックさんは、フリマで買ったアフリカンスタイルのインディゴのスカーフを持参。「縫い目をそろえてまっすぐ縫うのが難しい」と困惑気味のアレックさんに、「大丈夫、うまく縫えてますよ」と声を掛けるローザさん。「今繕った布の上に、こんな風に小さな布を重ねるとデザイン的にすてきですよ」といったアイデアも出してくれる。アレックさんはコツがつかめるとすっかりハマってしまった様子。「ハギレの組み合わせや置き方を考えるのが楽しい」と目を輝かせ、「きょう初めて裁縫を体験しました。繕いだけでなく、インディゴの歴史や文化の話がとてもおもしろかったし、ものを大切にして再利用することの重要性も考えさせられました」と、どんどん興味が広がっていったようだ。

 母親のティナさんは、「息子に誘われて一緒に参加しました。使えなくなったら捨てるのではなく、リサイクルするという考えが好きなので、このクラスにはとても共感できます」と話していた。チクチクと針を進めながら静かな時間が流れ、継ぎはぎを施された布が美しく蘇っていく。

「日本人も知らないクールな日本のモノを広めていきたい」と語る主宰者の遠山さんは、このクラス以外に、日本の伝統文化である藍染めや刺し子のクラスも開講している
意外にも、参加者は繕いやインディゴのジーンズ好きの「裁縫男子」が圧倒的に多いそうだ
親子で参加のティナさんと息子のアレックさんは、マイ裁縫箱を用意していた
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ローザ・チャンさん
 私はファッション業界で働いていたので、洋服に使われる多くの化学物質が、環境汚染を引き起こしている実情を見てきました。その経験もあって、サステイナブル(持続可能なもの)やリサイクルがいかに大切であるかを、皆さんに教えて広めていきたいという気持ちが基本にあります。「もったいない」の気持ちを大切にして、心がハッピーになるものを身につけて欲しいです。

 一針一針黙々と針を刺していく縫い物には、セラピー効果があるので心が癒やされます。ここで3時間の静かなひとときを持ってリラックスして下さい。手を動かしながら何気ない会話をしているうちに、皆さんすぐ打ち解けて仲良くなるので、友達作りにも最適の場所です。

メンバー募集中

Contemporary Boro Mending Workshops

土曜日の午後1時から4時まで、ブルックリンのブッシュウィックのスタジオ「Better Than Jam」(20 Grattan St.)で、不定期で行っている。一回85ドル(材料費すべて込み)

MAIL
info@curiouscorners.com
WEB
http://www.curiouscorners.com

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