2016/10/21発行 ジャピオン887号掲載記事

集まれ みんなの広場

生け花クラス@Resobox

花の命を忘れない華道
日本の心を伝える

 いけばな龍生派の師範で、生け花歴48年、生け花作家でもあるジボ正子さんは、ロングアイランドシティーのレゾボックススタジオで開催されている「生け花クラス」を指導している。

 英語で進められる授業は、長テーブルに初心者と中、上級者に分かれて座り、それぞれが課題に取り組むスタイル。初心者は、まずは初めて見る華道バサミの持ち方や剣山の使い方といった基本的な指導を受けた後、自由に花を生けて「生け花」の感覚をつかむ。その様子を見ながら、ジボさんは、「生け花は、花を1センチ動かすだけで、まったく違う形が生まれます」と語り掛け、空間が作り出す美しさを解説する。

 夢中になっているうちに、うっかり枝を切り過ぎてしまった生徒に向けては、「いつも想定したより長めに切るようにしましょう」と丁寧にアドバイスをする。クラスでは、技術だけでなく、使い終わった枝を細かく切ってまとめて捨てるといった生け花の大切なマナーも指導している。

 龍生派の自由花カリキュラムに沿って、基本を身につけた後、上級者クラスに進むと、個々が自由な発想で作品を作っていくことになる。この日参加した上級者3人は、ワイヤーの使い方を学びながら、個々が自由な発想でクリスマスローズを花器に生ける練習に没頭していた。その様子に、「この角度から見ると、とても美しいですね」とジボさんが声を掛ける。

 上級者でランドスケープデザイナーのルル・ジャオさんは、「日本のシンプルな形の生け花が習いたくて」ニュージャージーから通っているという。「花を生けていくプロセスがとても面白いです。植物や花の名前もたくさん学び、先生からは、その全ての花に個性があるということを教わりました」と満面の笑みを浮かべる。

 同じく上級者で銀行勤務のミッシェル・ワンさんは、「美しい花に触れ、リラックスする時間が欲しくて参加しました」と言う。「落ち込んでいるときは、花が元気をくれます。生け花の精神は禅に通ずるところがあって興味深いです。極めたいです」と意欲を見せる。

 この日初参加のメリッサ・マユミ・シングレタイさんは、「ニューヨーク市内は自然が少ないので、今日は花に囲まれて、とても心が落ち着きました。もっと技術を身につけるため続けたい」と話した。

 ジボさんは「1回目は初めてのことばかりで大変ですが、2回目から少しずつ、生け花がどんなものか分かってきますよ」と生徒たちを励ました。

レッスンは、龍生派の自由花カリキュラムに基づいて、3冊の日本語と英語で書かれた教科書を使って行われる。基礎を学んで身につけた後、4回目から本格的にスタートする
レギュラーの参加者は通常15人ほどで、ヨーロッパ各国やスパニッシュ、中国系など人種も多様
上級者のレッスンになると、一人一人が自由な発想力を発揮して、大胆な作品が生まれていく
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ジボ正子さん
 日本の生け花を正しく伝えることを目指しているこのクラスでは、テクニックだけでなく、花の命を大切にして、その心を忘れないことを常に生徒さんに教えています。一つ一つの花にはそれぞれ違う顔があるので、花の名前やその特徴を覚えることがとても大切です。生け花は、その花の顔が上を向いたり下を向いたりすることによって、エナジーの流れが変わり、空間の美しさも変化します。そこが生け花の面白さでもあります。同クラスは、アメリカ人に日本文化を広めるというコンセプトで「RESOBOX」が開催しているクラスの一つ。今のところ生徒は全員アメリカ人ですが、もちろん日本人も大歓迎。まずは手ぶらで気軽に参加してみてください。

メンバー募集中

Ikebana Class@Resobox

毎週土曜日の午前10時から11時30分(上級)に、ロングアイランドシティーのResoboxGallery(41-26 27th St.)、午後1時15分から2時30分(初級と上級)、午後3時から4時30分(初級)に、RESOBOX Studio(44-02 23rd St.)で実施。小学校高学年以上から参加可。教授資格取得可。

MAIL
masakogib@hotmail.com
WEB
http://www.resobox.com

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