2016/08/19発行 ジャピオン878号掲載記事

集まれ みんなの広場

田中太山書道教室

型破りな指導で 自由な筆遣い学ぶ

 書道家の田中太山さんが指導する書道教室が多目的アートスペース、Jコラボで開催された。

 田中さんは、書初め用の半紙と太筆を生徒に配り、「力を入れて、AからZまで好きなように書いて!」と指示する。「うーん」と声を上げ、歯を食いしばる表情を作りながら、お手本をみせる。それに倣って生徒たちも思い思いに字を書いていく。途中で、半紙が文字でいっぱいになった、と申し出た生徒には、書いた文字の上に続きを書くように、と告げ、さらに最後には、せっかく書いた文字の上に、力を入れて太い線を引くようにと指示する。それに対して生徒らは、戸惑った表情を見せつつも、線を引くことに夢中になっていく。

 続いてはがき大の紙に、穂先だけを使い、かつ利き手と逆の手でアルファベットを書いていく。そのあとにはさらに目も閉じて文字を書く。そして最後には、「桜を描くよ!」と言い、一同は再び半紙に力強い筆遣いで穂先を崩して枝を、また穂先を細やかに使って花びらを描いていく。ここまで説明らしい説明もなく進んでいたが、どうやら「上手に書かないといけない」という考えから生徒たちを自由にさせるためのプロセスであろうことは、生徒たちのこぼれる笑顔からうかがえる。最初は恐る恐る運んでいた筆も最後には、一様に堂々としたものになっていた。

 近所の住民で、興味があり参加したジミーさんは、「絵も描かないし、書道も初めてやったけど、面白かった。目をつぶって書くのが難しかったね。漢字を書けるようになりたいから続けたい」と意欲を見せる。

 バルーク大学を卒業したばかりで、在学中は日本クラブに所属、日本文化に興味があるというクラウディアさんは、「力を入れて文字を書くのが難しかった」と語る。高校時代に書道にトライした経験があり、「久しぶりで、すごく楽しかった」と笑顔を見せた。

 フランスからインターンをするため当地を訪れているルシアさんは、田中さんのクラスは2回目の参加。「私は細かい字を書くのが得意。リラックスしてできて楽しかった」と笑う。

 唯一の日本人で、チョコレートメーカーで、モデルの川口香奈美さんは、面白そうだったので参加したという。「久しぶりに筆を持ちました。強くとか、左手でとか、目をつぶってとか、型にはまらない指導で、書道の概念を打ち破られました」と語る。

 最後は作品を持ちながらの記念撮影に、一同誇らしげな表情を見せた。

筆を押し付けて、小さい字を利き手とは逆の手で、目を閉じてと、いろいろな書き方を通じて、自由な筆遣いを学ぶ
書道の経験を問わず、書や書画はどれも力強い仕上がりになった。出来上がった作品に、皆満足げだ
クラスでは筆遣いを変えながらアルファベットを書いていく。クラスが進み、皆集中モード
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田中太山さん
 クラスの内容自体は日本、ヨーロッパでもやっているものです。ペイントの筆遣いしか知らない人や、日本人でも穂先を壊してまで書くことはしない人が多いので、まずは筆を力強く押し付ける感覚と、太い筆で細い文字を書く感覚を知ってもらいます。また、特徴としては、「カリフォグラフィー」ではなく、ジャパニーズアクションペインティングと言っていて、本当はもっと音をガンガンかけ、体を使って動いて、汚れながら、自由にやってもらいたい。

 字が下手でも、絵が下手でも、すてきな書の作品が作れます。またそれらをどんな掛け軸に書いて、どんな額に入れるといいかというところまで教えていきます。

メンバー募集中

Show-Do

9月から毎週水曜日午後3時30分からブルックリンのJコラボで開催。1回20ドル(道具の貸し出し、画材代込み)。

MAIL
shogakaboz@gmail.com
MAP
300 7th St. Brooklyn, NY 11215

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