2016/04/08発行 ジャピオン859号掲載記事

集まれ みんなの広場

表千家流草芽庵

茶道はおもてなしの心 人生に必要な心掛け学ぶ

 2月最後の土曜日、表千家茶道教室「草芽庵」で、春を待つ「早春の茶会」が催された。表千家教授の小池宗雅さんは、1994年にミッドタウンの自宅に茶の湯教室草芽庵を開設。93年から日本クラブでも講師を務め、表千家の茶の湯を伝授している。

 茶会は小池先生による年頭のあいさつから始まり、茶道の歴史や目的から、もてなしの心について話が及んだ。「おもてなしの心とは、相手の心になって自分の心を働かせること」との先生の言葉に、生徒たちは聞き入っていた。

 自宅に設けた畳敷き茶室の一角にある手水鉢(ちょうすばち)で、手と口を清めて「席入り」してから、「濃茶席」が厳粛に始まった。草芽庵に学び13年の弁護士のエドモンド・パパントニオさんが「亭主」役になり、「客」をもてなした。炉釜のお湯が沸き、お茶の香ばしい香りが漂ってきたころ、まず茶まんじゅうをいただいてから抹茶を味わう。一碗(わん)に点(た)てられた濃茶を一人ずつ飲んでは、次の客に茶碗を送っていく。うっかりお辞儀を忘れた生徒に先生から、「ここで、お辞儀ね」と即座に注意が飛ぶ。「でも、ここまで完璧だったわよ」と細かく目を配っている。

 後半は、ファイナンシャルプランナーの林嘉次さんが亭主となって、くつろいだ雰囲気の中で「薄茶席」が行われた。客の代表である「正客」をこなした会計士の山川るり子さんは、「まだまだ勉強しなくては」と振り返り、「礼儀作法を習いたくて5年前に参加しました。何よりも、細かく徹底して教えてくださる先生に巡り会えたことは私の宝です」と語る。

 小売業勤務の晴山拓さんはまだ初心者で、「先生は厳しくて、時には叱られることもあって母親のような存在です。ここは時間の流れと空気が全く違うので、リフレッシュできます」と、稽古のひとときを楽しんでいた。「きょうは人生で初めてのお茶会を体験しました」と笑顔を見せるクラリネット奏者の鈴木美千代さんは、「お茶を学ぶことで演奏にも深みが出るようになった気がします。日本人としてはお茶を知らなければと思って参加しました。空手も稽古を始めて2年になりますが、武道と茶道は通じるところがあります」と、日本の伝統文化の素晴らしさを実感中だ。

 先生の教室からは、多くの表千家茶道の指導者が巣立っており、「教え子たちが活躍している様子を見たり聞いたりするたびに、ニューヨークに来てよかったと思います」と、にこやかな笑顔で語った。

小池宗雅さんが教授した生徒数は、22年間でおよそ1000人にのぼる。静寂に包まれた茶室でおいしいお茶をいただいていると、マンハッタンの騒がしさを忘れてしまう
レベルも顔触れも多様で、参加者には子供もいる。男性の参加者が多いのもこの教室の特徴だ
気軽に行われる「薄茶席」になると、茶室はリラックスした雰囲気に変わった
スクリーンショット 2016-04-07 12.06.55

小池宗雅さん
 お茶を点てて客をもてなす「亭主」と、お茶を飲む「客」とで成り立つ茶道で私が教えていることは、人と人とで成り立つこの社会で生きていくための、いろいろな心構えです。そしてこれこそがお茶の精神です。それを体得するために、正しい点前やお道具の正しい扱い方を覚えることが基本になります。言い換えると、人生に必要なさまざまな心構えが茶道を通して学べます。
 内に秘めた精神を外に現したのが点前であり、客をもてなす決まりや作法を習得し、自然に美しい動作をすることが茶道。また稽古を通し、自分の弱点を克服する機会にもなります。初心者から熟達者まで、どなたでも入門できます。見学、体験入学、そして免許取得も可能です。

メンバー募集中

Omotesenke Style Sohga-An

毎週水曜日午前9時30分から午後9時と、土曜日午前9時30分から午後1時に、ミッドタウンウェスト(347 W. 57th St.)で開催している。毎週木曜日午後5時30分から9時に、日本クラブカルチャー講座も実施。

TEL
212-581-2855
MAIL
msohgakoike@yahoo.co.jp
WEB
http://www.chanoyusohga-an.com

バックナンバー

NYジャピオン 1分動画


利用規約に同意します
おすすめの今週末のイベント