2015/10/09発行 ジャピオン834号掲載記事

集まれ みんなの広場

琉風三線クラブ

奏でる喜び、歌う開放感 沖縄の音に癒やされて

金曜日の夜。クイーンズ区にあるカラオケボックスの一室では、沖縄の伝統的な弦楽器、三線(さんしん)の独特の音色が響く。

沖縄の文化や言葉に引かれて16年前に三線を始めた田口沙喜さんが、2010年に結成した三線教室「琉風(りゅうかじ)」のメンバーが集まった。最初は個人レッスンで教えていたが、人数が増えてきたため、月に1回グループ練習を行うようになった。田口さんは、「何よりも、みんなが少しでもホッとできる場所を作りたかった」そうだ。

この日の参加者は6人。まず演奏前に、じっくりと時間をかけて一人一人調弦を行う。ちょっと不安そうな生徒には、田口さんが隣に座って音を確認してくれる。「じゃあ、『安里屋(あさどや)ユンタ』から行きましょう」の声に、パラパラと楽譜をめくり、全員で三線を爪弾きながら声を合わせて歌い上げていく。三線の音色とゆるりとした男女の歌声が重なり合って、美しい調和が生まれる。

「合いますねー」と田口さんもうれしそうだ。生徒は日ごろ個人レッスンを受けているので、グループ練習ではみんなで一緒に演奏する楽しさがある。  続けて「永良部百合(えらぶゆり)の花」「十九の春」など、約10曲を練習。三線のソロと囃子(はやし)に分かれて演奏したり、三板(さんば)という沖縄の打楽器も入ったりして、自由な雰囲気で演奏が続いた。

曲と曲の合間には、大阪出身の田口さんが関西弁で雑談や冗談を飛ばして笑いを誘う。「先生が話しやすいので、いつもリラックスして笑いながらのレッスンなんですよ」と言う内藤育子さんは、練習を始めて1年半。「体験レッスンに行ったら面白くて、すぐ三線を注文した」という。三線は田口さんに頼めば、沖縄の知人の楽器店から取り寄せてくれる。また教室にある在庫の販売も行っている。

「今でも人前で演奏すると手が震えますが、癒やされます」とはにかむのは、ソーシャルワーカーの堀川智里さん。フレーム工房「プラナヤマアート」オーナーの山崎哲哉さんは、「三線は指と頭を使い、集中力も必要なので老化防止になり、歌うことでストレス発散になります」とその効果を実感して2年になる。

翻訳家のケルビー・リョウさんは、「大阪に旅行した時、公園で三線を弾いていたら人に話し掛けられ、意気投合して友達になりました」と素敵な体験を語る。「三線を通して人と出会い、つながり、絆を深めたい」と言う田口さんの希望通り、三線仲間が増えていく。

三線は中国から沖縄に伝わって発展した弦楽器。蛇皮を張った胴の部分の弦3本を弾いて、懐かしみのある独特の音を奏でながら歌い上げる
みんな仲が良く、バーベキューや新年会、イチゴ狩りにワイナリー巡りなど、さまざまなイベントを催している
クラスでは、三線も貸してもらえる。レンタルも行っているので、自宅でも練習できる
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田口沙喜さん
音楽を通して「第二の家族」を作りたくて、グループ練習という場を作りました。沖縄では家族のつながりを大切にします。異国での生活は寂しさもあり、特にニューヨークはせかせか忙しくストレスも多いので、家族のように集ってほっと一息できる場にしたいです。年に一度12月に行う発表会以外に、スタジオやジャズクラブ、レストラン、日系のイベントなどで楽しく演奏しています。
 
三線はその人のさまざまな経験や思い、生き方がそのまま表れるので、年齢を重ねるごとに歌や解釈の仕方も変化して味が出てくる奥の深い楽器ですが、弦が3本なので弾きやすい上に、8個のツボを覚えたらほとんどの曲が弾けるので、楽器未経験者にもおすすめです。

メンバー募集中

Ryu-Kaji Sanshin Club

グループ練習は、毎月第3金曜日の午後7時30分から9時まで、アストリアのカラオケ・シャウトやスタジオで開催。個人レッスンは毎週月〜土曜日に、クイーンズとマンハッタンで行っている。トライアルレッスンあり。出張も可。まずメールで問い合わせを。

MAIL
ryukaji.ny@gmail.com
WEB
http://www.ryu-kaji.com

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