2015/09/25発行 ジャピオン832号掲載記事

集まれ みんなの広場

ジャパン・コーラル・ハーモニー「とも」

歌声で日米の懸け橋に 祈りと想いを込めて

 米同時多発テロから14年になる9月11日、米同時多発テロと東日本大震災の犠牲者を追悼する「第8回風の環(わ)メモリアルコンサート」が、アッパーウェストサイドのニューヨーク倫理文化協会コンサートホールで開催された。

 仙台出身で音楽監督の白田正樹さんは、「今年のコンサートは、東日本大震災で犠牲になった英語教師助手の米国人、テイラー・アンダーソンさんの存在を米国内でも知ってほしいという願いを込めました」と、主催者としての思いを語る。

 混声合唱団ジャパン・コーラル・ハーモニー(JCH)「とも」のメンバーがホスト役を務め、マンハッタン・シンフォニー・オーケストラの演奏で幕を開けた。

 400年前に仙台からスペインに渡って住みついた使節団の子孫たちも駆け付け、テイラーさんをしのぶ俳句を披露。また、9・11テロ被害者遺族の住山一貞さんが、今回のために作詞作曲した合唱曲「折り鶴の旅」を「とも」が歌い上げ、観客は魂を揺さ振られるような美しいハーモニーに、じっと聞き入っていた。

 クライマックスでは、テイラーさんの教え子を含む石巻市の市民で結成された「ぜってぇまげね合唱団」が登場。教え子が感謝を込めた手紙を読み上げた後、団員たちの「100通りのありがとう」の力強い歌声と踊りに、スタンディングオベーションが続いた。

 「私たちは、平和な世界を作りたいというみんなの共通の思いを、歌を通して伝えるメッセンジャーなのだと思いました」と、ソプラノ担当のパレンバーグ・智恵子さんは話す。団長の阿部友子さんは、「歌には癒やしの力があります。私たちの歌声を通じて、平和への祈りを皆さんと共有していきたい」と力を込めた。

 「きょうは実力が全て出せました」とすがすがしい表情の蓼原(たてはら)祥太郎さん(ベース)は、「仕事の後に練習を重ねてきましたが、観客がたくさん拍手をしてくれて、やりがいがありました。歌うことは純粋に楽しいので、ぜひ多くの人に参加してほしい」と、歌うことの素晴らしさと楽しさを語ってくれた。

 「会場に来てくださった皆さんの思いと、私たちの思いが一つになったという実感があり、練習以上の成果が出せました」と感慨深げな広瀬明美さん(アルト)は、「3・11が起こったとき、歌うことが自分の使命ではないかと思って続けてきました。音楽は国境も言葉も超えて、心を一つにしてくれます」と話した。
 平和を願う彼らの歌声が、人をつなげ、世界を結んでいく。

9.11と3.11の犠牲者への追悼の意を込めたこの日のコンサートには、日米、そしてスペインからも賛同者が駆け付け、被災者への追悼と平和の祈りを捧げた
「とも」は、2011年にカーネギーホールで開催された日米合唱チャリティーコンサートからスタート
多くの人たちの復興援助に感謝を込めて演奏する、「ぜってぇまげね合唱団」の団員たち
スクリーンショット 2015-09-29 19.31.41

白田正樹さん
 今年で8回目となるコンサートでしたが、自分で企画したことを全てやり切ったので、とても満足しています。テイラー・アンダーソンさんは、日米の懸け橋になりたいという想いを持っていましたが、私が尊敬する「武士道」の著者、新渡戸稲造がアメリカに渡った時、「われ、太平洋の懸け橋とならん」と約130年前に言っており、時代を超えて日米関係の友好を願う気持ちを持っていることに感銘を受けました。若い人たちにも、そういう気概を持って世界で活躍してほしいと願っています。「とも」は結成以来、さまざまな被災地を慰問してチャリティーコンサートを行っています。合唱が好きな人なら初心者でも下手でも大歓迎。みんなで一緒に歌いましょう。

メンバー募集中

Japan Choral Harmony ”TOMO”

毎週月曜日の午後6時30分から9時まで、54St.& Broadwayのスタジオで練習している。団費は前期と後期各120ドル。ポップス、合唱曲、黒人霊歌など各ジャンルの曲を歌う。歌が好きなら誰でも参加可。まずは見学を。

MAIL
japan.choral.harmony@gmail.com
WEB
http://www.jch-tomo.org

バックナンバー

NYジャピオン 1分動画


利用規約に同意します
おすすめの今週末のイベント