2015/04/24発行 ジャピオン810号掲載記事

集まれ みんなの広場

SHARE日本語プログラム

経験者同士支え合う がんを語り合う場

 「SHARE(シェア)」は、乳がんまたは卵巣がんを告知された女性を対象に、病院や治療法、保険などの情報を提供するだけでなく、同じ経験をした女性同士が支え合うコミュニティー。2013年に日本語プログラムがスタートした。

 「ソーシャルワーカーや医者でも、経験していない人には気持ちを理解してもらえない。シェアの良いところは、みんなが経験者であるというところ。話していても、響くものが違うんです」と語るのは、代表のブロディー愛子さん。2カ月に5回ミーティングを開催しているが、日曜日の午後に行われたこの日の会には、9人が集まった。

 早速、自己紹介と情報交換が始まる。3度の手術を克服した人、高額な手術費のために保険会社と闘っている人、術後の化学療法を受けている最中の人もいる。「手術した日を記念日にしています。術後5周年になりました」という発言には、他の参加者から盛大な拍手が。参加者は皆、話したいこと、聞きたいことがたくさんある様子で、ミーティング中は会場が静まり返ることはない。隣同士で熱心に話し込んでいた参加者に向かって、ブロディーさんが「ハイ、そこだけで話してないで、シェア、シェア」と会話を中断すると、どっと笑いが起こった。

 乳がんの宣告を受けてすぐにシェアに連絡したというグラフィックデザイナーのロビンズ恵さんは、初めて参加したミーティングのとき、他の参加者の前で泣いた。「それまで、気持ちを吐露する場所がなかったのがつらかった。シェアに参加して『私だけじゃないんだ』と思い、そこから心が落ち着きました」と振り返る。職場にかかってきた電話で乳がんを告げられ、パニックになったというブランドマン範子さんは、「同じ経験を持つ人同士、症状や治療法などについて情報をシェアできるので、すごくいいと思います」と話す。今では職場復帰を果たし、職場の人にも理解と協力を得て働いている。

 ブロディーさんは、「皆さんを見ていて思うのは、とても頑張り屋さんであるということ。リラックスの仕方を知らない」と指摘。そこで、情報交換の後は、自身も乳がんを克服したヨガインストラクター、平林信恵さんの指導の下、ディープリラクゼーションと瞑想(めいそう)も行われた。

 「これまでのがんの研究成果が花開き、さまざまな治療法が開発されています。いつか、シェアが必要なくなる日も来ると思います。それが、シェアの究極のゴールです」とブロディーさんは語る。

この日の参加者は9人。同じつらさを経験しているからか、気持ちも分かり合える。「友だちができたことも、シェアに来て良かったと思ったことの一つ」と言う人も
話したいこと、聞きたいことがたくさんあるから、ミーティングでは終始活発な情報交換が続く
ミーティングでは、ヨガと瞑想(めいそう)でディープリラクゼーションを実施
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 ブロディー愛子さん
 乳がん患者はニつに分かれるんです。完全に隠す人と、すぐに助けを求める人。そしてシェアにも、「がんを告知されました」とすぐにやって来る人と、日本人特有の謙虚さから、「こんなことを話されたら、迷惑じゃないだろうか」と思い、完治してから来る人。2001年に乳がんになったとき、実は私も隠す人でした。ですが、告知されてすぐシェアに来た人には、さまざまな情報を提供することができます。ですから遠慮せずに、がんを告知されたら、すぐにここに来てください。

 自分は無力だと思っていても、いつか他の人を助けてあげられるようになるときが必ず来ます。それはとても大きな喜びです。それまでは、他の方々に甘えてください。

メンバー募集中

SHARE Japanese Program

昼の患者サポートミーティング/第4金曜日午後12時30分から、夕方の患者サポートミーティング/第2金曜日午後6時から。いずれも、SHARE(1501 Broadway, #704A)で開催。週末の患者サポートミーティング(2カ月に1回)も実施。

TEL
917-686-0671
WEB
http://www.sharejp.org

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