2015/01/30発行 ジャピオン798号掲載記事

集まれ みんなの広場

ブルックリン日本語学園

子供に継承語教育を先生と親で作る学園

 2011年開園の「ブルックリン日本語学園」は、米国を基盤に生活する日本人・日系人家族の子供たちに、日本語と日本の文化を伝えることを目的とするコミュニティースクール。親からの継承語としての日本語教育の場を提供している。

 中野友子学園長は、全米日本語教師会、米国北東部日本語教師会、MHB(母語・継承語・バイリンガル教育)研究会の会員として、継承語教育に携わってきた。同学園では、子供たちの興味や意欲をかき立てるように作成された統合学習カリキュラムに基づき、日本語の「話す、聞く、読む、書く」の技能を引き出す授業が行われている。

 教務主任でもあるガルシア・奈津子先生が受け持つキンダー/小1のマルチエージクラスでは、『桃太郎』をテーマにした授業が始まった。「きょうは読み聞かせ、本文の一部の音読、工作などを通して、言葉や内容理解を深めていきます」とガルシア先生。子供たちはぬり絵をした桃太郎の上に、左右に開く桃を紙で作ってピンで付けていき、「ももから生まれたももたろう~」と桃を開きながら目を輝かせる。

 「子供たちは宿題が大好きなんです」とにこやかに語るガルシア先生。同学園の宿題はオープンエンドという点で特徴的。つまり、一人一人が違う答えを出してくるので、さまざまな知識や考え方が学べる上に、親子で宿題に取り組むため、日本語で交流する時間が生まれるという。

 クイーンズから通うラウ・元美さんも、「紙と鉛筆の宿題でなく、娘の衣紗(7歳)と一緒に考えたことを授業で発表するというのが良いです」と話す。「勉強に対してマイナスのイメージを与えることがないので、子供たちは楽しく学び、自ら学びたいと思ってくれています」と言うのは、オースティン・実穂さん。娘のカイラちゃん(8歳)は、「特に習字や絵本で漢字を習うのが楽しい」と、土曜日を心待ちにしているという。

 「日本に帰国予定はありませんが、息子の夢玄(4歳)には日本語と日本の文化を分かって欲しい」と願う柴田尚子さんは、「学園で友達と何をしたかをよく話してくれるようになりました」と話す。相良明生くん(6歳)と拓巳くん(8歳)の母親の恭子さんは、「先生に任せきりではなく、保護者も積極的に学園の運営に関わっていて、みんなで一緒に子供を育てながら学んでいるんです」と笑顔を見せた。

 ブルックリン日本語学園では、枠にとらわれない自由な発想を持った子供たちが、伸び伸びと育っている。

プリKクラス、K~1年生クラス、2~3年生クラス、4~6年生クラスに分かれた土曜日学校で、現在の総児童数は91人。
ガルシア先生のK-1クラス「ふくろう組」の児童たち。アシスタントとティーンボランティアも付く。
プリKクラスでは、宿題になっていたオリジナル福笑いの絵を持ち寄って、児童たちが大はしゃぎ。
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ガルシア・奈津子先生
 ここに通う子供たちは米国を基盤に暮らしており、日常生活で日本語の必要性を感じる機会が少ないため、興味を失えばそこで学ぶことが止まってしまいます。しかし興味を持てば、自発的にもっと日本語で話したい、日本語を学びたいという気持ちになっていきます。子供たちは学園へ行くことを楽しみにしてくれ、現地校より面白いという声をよく聞きます。

 教師が子供たちのために頑張ろうという熱い気持ちを持っているのも、この学園の素晴らしいところです。継承語教育では、保護者と教師が一体となって子供の学びを積極的に援助することが重要です。教師と保護者の2人3脚で、子供たちの日本語学習を応援していきましょう。

メンバー募集中

Brooklyn Nihongo Gakuen

毎週土曜日の午前9時20分から午後12時20分(月1回午後2時まで)に、ブルックリンの公立小学校で行っている。クラスはプリKから6年生までで、両親のどちらかが日本人であること。5月にオープンハウス(学園説明会)を実施。

MAIL
nihongogakuen@bjafa.org
WEB
http://www.bjafa.org/nihongogakuen

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