2019/03/01発行 ジャピオン1008号掲載記事

中村武彦のプロスポーツから見る経営学

第36回 2年目の大会開催


サッカー文化定着
ビジョンを具体化

リム・カップ」を開催しました。そして雪の降るニューヨークに、約1カ月にわたるハワイ出張を終えて戻ってきました。

本コラムでは何度も取り上げているので、大会の概要や成り立ちは割愛しますが、今回はメジャーリーグサッカー(MLS)からバンクーバー・ホワイトキャップスとレアル・ソルトレイクの2クラブが、また日本からJリーグのVファーレン長崎と、東北社会人サッカーリーグのいわきFCの2クラブが、ホノルルに集結し国際試合を行いました。

今年はVファーレン長崎が優勝を果たしました。昨年はコンサドーレ札幌が王者に輝き、Jリーグチームの実力を示す結果となりました。2大会連続出場のいわきFCは、今回は3位と健闘しました。昨年は2敗して大会を後にしましたが、今年は3位決定戦で念願の大会初勝利を収めました。

好印象残す
いわきFC

いわきFCは、東日本大震災の後、「いわき市を東北一の都市にする」との目標を掲げ、2大会連続でパシフィック・リム・カップのパートナーとなっているドーム社が立ち上げたクラブです。同社はアンダーアーマーの日本総代理店を務めています。

3位決定戦の終了間際、いわきFCの決勝点を挙げたのが、今年の全国高校サッカー選手権で優勝した青森山田高校のエース、チリ出身のバイロン・バスケス選手でした。こうやって、決めるべき人が決めるところにスター性を感じました。

バスケス選手は、Jリーグ他球団からも声が掛かっていたにもかかわらず、いわきFCへの入団を選びました。

理由は、いわきが「日本のフィジカルスタンダードを変える」というビジョン標榜しているからです。これからの長いプロ生活の基本となる体作りために、最適な環境を提供してくれると考え、高校卒業後に入団する最初のクラブに選んだのです。

バスケス選手を筆頭に、いわきのプレースタイルは観ている人を興奮させ、ハワイの子供、大人にも多くのファンを作りました。試合の後は選手全員がスパイクをスタンドに投げ込んだり、丁寧にサインに応じる姿も印象的でした。

ハワイのサッカー
さらに盛んにする

ハワイは若年層を中心にアメリカでもサッカーの競技者の割合は多い州として知られています。オワフ島にワイピオ・サッカー場という20面以上天然芝のグラウンドがある施設は、週末になると駐車スペースを探すのにも苦労をするほど混み合います。

今回もプロサッカー選手と子供たちが一緒に行う無料のサッカークリニックを開催したところ、募集開始20分で300人以上の応募が殺到しました。この他にもハワイの高校生オールスターチームと福島県浜通りU18選抜の試合をアロハスタジアムの本戦の前座試合として開催しました。

プロ選手たちのトーナメントだけではなく、コミュニティーの皆も参加して楽しめるイベントも次々に付け加えていくことで、最終的にはハワイ最大のサッカーウィーク構築を目指しています。

実は、今回、大会当日はハワイ州史上最低気温といいわれる悪天候で、当初予定していたほどの観客の伸びはなかったものの、けが人もなく無事に大会を開催することができました。

そして何よりも2年連続で、私を信じて支えてくれたドーム社はじめ、スポンサー会社にはいくら感謝をしても足りません。

当初より、2018年は私のビジョンを具現化し、コミュニティーに受け入れてもらう年、そして3年目となる今年は、コミュニティーが楽しめるイベントの構築、来年は会場にたくさんの人が足を運んでくれる大会を開催することを標榜してきました。

その目標を実現できるように、邁進していきますので応援をよろしくお願いいたします。

2大会連続出場のいわきFC(写真上)とパシフィック・リム・カップで優勝したVファーレン長崎 (Photo Courtesy of Blue United Corporation)

中村武彦

中村武彦
マサチューセッツ大学アマースト校スポーツマネジメント修士取得、2004年、MLS国際部入社。08年アジア市場総責任者就任、パンパシフィック選手権設立。09年FCバルセロナ国際部ディレクター就任。ISDE法科大学院国際スポーツ法修了。FIFAマッチエージェント。リードオフ・スポーツ・マーケティングGMを経て、15年ブルー・ユナイテッド社創設。

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