2015/10/02発行 ジャピオン833号掲載記事

堀古英司の経済ミラクルキャッチ!

第11回 人生のリスクについて考えよう

よく考えて加入すべし
もしもの時の保険


 損失を被る可能性、または不利な状況に追いやられる可能性のことを「リスク」と呼びます。そして世の中、リスクはあらゆるところに存在しています。特に日本で生まれ育ち、アメリカに来られた方は「安全はタダではない」ということを、強く感じておられることでしょう。

 その他にも自動車を運転する時、旅行をする時、スポーツをする時、投資をする時、ビジネスを経営する時などはもちろん、日頃特に変わったことをしなくても、例えば自然災害など、リスクというのは皆さんの周りに存在しています。このようなリスクが現実のものとなってしまった時、すなわち、もしもの事が起こった時のために、「保険」というものが存在しています。

 人間というのは、「できるだけリスクを回避したい」という本能を持っています。ですので、いろいろなリスクを想定していくうちに、あれも気になり、これも気になり、結局数え切れないほどの保険に加入してしまっていた、ということが起こりがちです。

 反対に、普段そのようなリスクに遭ったことがないのでそもそも想定しておらず、日頃忙しいことも言い訳にして、全く保険に加入していない、という人もいるでしょう。私はこのいずれも良くない状態だと思っています。

 というのは、保険会社は利益を生むのが目的である限り、そのリスクが発生する確率以上の保険料を徴収しているわけです。つまり必要以上の保険に加入していては、お金の無駄遣いになってしまいます。かといって、実際にそのリスクが現実のものになり、大きな損失を被ることになってしまってからでは遅いので、普段何も起こっていないときこそ、あらゆるリスクを想定しておくべきなのです。

年に一度考えよう
人生のリスクと保険

 そこで皆さんに、年に1回でもいいので、①これから自分が生活していくに当たって考えられるリスクをリストアップする、②そのリスクがどのくらいの確率で現実のものになり、どのくらいの損失につながるかを想定する、③確率と損失を勘案して、必要と思われる保険に加入する、というステップを踏んでいただきたいのです。

 この作業は、自分のライフスタイルがかなり将来まで読める、という人ほどやりやすくなります。人間、歳を追うごとに将来のライフスタイルが読みやすくなっていくと思いますので、年に1回をめどにこの作業を行い、必要があれば変更や保険を追加するなどの措置を講じていくのが理想的です。

残された家族を守る
生命保険はどうする?

 リスクを考えるに当たって、真っ先に検討していただきたいのは「あなたが亡くなるリスク」をカバーする生命保険です。すでに生命保険に加入されている方も多いと思いますが、今一度、何を目的に加入しているかを確認して下さい。

 保険金は天国では受け取れません。生命保険は、あなたにもしものことがあった時、残されたご家族が困らないようにするためのものです。ですので、あなたが亡くなって、経済的に困る方がいない場合は必要ないはずです。

 また65歳になる頃には配偶者は年金ももらえますし、お子さまも社会で活躍されている可能性が高いでしょうから、主に65歳までのことを考えられれば良いと思います。65歳までに人間が死ぬ確率は10%程度ですから、もし、65歳まで絶対死なない自信がある方でしたら、生命保険は必要ないかもしれません。

 それ以外の方は、あなたにもしものことがあった場合の経済的損失を試算した上で、65歳くらいまでの生命保険に加入されることをおすすめします。そして生命保険に加入される場合は、定期の掛け捨て型がおすすめです。最終的には人間が死ぬ確率は100%ですので、終身型は割にあいません。また貯蓄型や変動型は、保険と組み合わせると不利になります。保険はあくまでも「もしも」に備えるものであり、他の目的と組み合わせようとすればするほど本来の目的から離れ、割高になるものです。

 アメリカの掛け捨て型保険の保険料は非常に安く設定されていますので、是非ご検討されることをおすすめします。

堀古英司

堀古英司
■ニューヨークに拠点を置く投資顧問会社、ホリコ・キャピタル・マネジメントLLC最高運用責任者。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」をはじめ、メディアに多数出演。著書に「リスクを取らないリスク」。関西学院大学時代、アメフト部で活躍。

今週の用語解説

米国の生命保険

大きく分けて、「定期型」と「終身型」がある。定期型は少ない掛け金で、しっかり死亡保障が付く保険で5年、10年、15年など期限が決まっている。保障期間の上限は保険会社によるが、最長で30年ほど。掛け金が少ないのが魅力だが、掛け捨て型なので満期になってもお金は戻ってこない。終身型は5年から30年の積立型定期保険。加入後15年たったら掛け金の一部が戻ってくるもの、子供の教育費をカバーできるもの、運用して資産を増やせるものなどがある。年金、貯蓄などとしても利用できる。

NYジャピオン 1分動画


ただいま配布中発行

巻頭特集
人気が過熱するブルックリン区ウィリアムズバーグ...

   
Back Issue ~9/7/2018
Back Issue 9/14/2018~
利用規約に同意します
おすすめの今週末のイベント