2017/12/08発行 ジャピオン945号掲載記事

共感マーケティング

第157回 お客さまと対話しよう

 私が勝手に編み出した飲食の法則があって、女性のお客さまの多い店はおいしく、コスパが良い。男性の多い店は当たり外れが激しい。男性特におっさんばかりの店は行かない方がいい(笑)。

 さて、今日お話する店は、女性に大人気でした。過去形になってしまっています。事情はこうです。

 その店はチョップドサラダ専門店というコンセプトが女性に受け、開店してすぐ人気店になりました。わずか1年で2号店を出しました。興味を持ったので、会社近所ということもあって、行ってみると女性客メーンの大行列です。内装はニューヨーク・メッツをモチーフにしており、メニューもすべて野球用語。もちろんニューヨークにお住まいの皆さんには「ニューヨーク・メッツをモチーフって何さ?」でしょうが、日本人が好みそうな、「おしゃれな外国」というくらいの意味でご理解ください。ブランド要素でいうと「らしさを演出するパッケージ」です。

開けたらお湯だけ 

 慣れないオヤジにとっては複雑怪奇なオーダーをこなしたものの、女性スタッフは当たり前という顔で目も合わせず「あちらで受け取ってください」と店内奥レジ方向を指します。

 奥には巨大なスクリーンがあって、そこでニューヨーク・メッツの試合を中継しているのかと思いきや日本の民放ワイドショーをやってました。テリー伊藤の顔をあれほどアップで見るのは初めてでした。

 やがてオーダーした商品がやってきて、代金を支払い、店を出ました。出ましたが、私のアタマの上には「?」が一杯浮かんでいます。「これって、どこがニューヨーク?」「一度も店のスタッフの笑顔に出会えなかったなあ」

 それが半年前。すぐ近くに似たようなコンセプト、しかも人気のカフェプロデュースのサラダ店が開店したため、くだんの店のお客さまがそっちに全部流れていってしまったという噂を耳にしました。そうなるとご近所の手前、応援に行かねばなりません。

 朝行きました。ガラガラでした。通常であれば、出社前にランチを求める女性客で行列のはずです。

 モーニングセットを注文し、ドリンクはホットティー。今回も一度も目を合わせず、笑顔もなしです。やれやれ、と会社に着いて、とりあえずは朝食を、とティーのプラスチックフタを開けたらお湯しかない。ははあ、ティーバッグが別添えなんだなと袋を隅々まで探しますが、ない。ついうっかり、なんでしょう。でも、教えてあげないといけないなあ。

お客さまとの関係性 

 出掛けるついで、11時半くらいにお店へ立ち寄り、朝とは別のシフトのスタッフに伝えたところ「茶葉は別添えに入れてるはずなんですけど」「入ってなかったよ」。まるでおっさんが訳分からず文句言いに来たかのような空気です。もう一人のスタッフが「もしよろしければ今から」と店の奥を指しますが「いえいえ、そんなつもりはないので。伝えに来ただけですから」とお断りしました。

 この店が傾いた理由がはっきりしました。お客さまと関係性を結んでこなかったのです。ただ商品と現金の交換で終わり。お客さまは無言で買える店に愛情を持ちません。ところがそういう店がどんどん増えてきています。アマゾンしかり、日本のコンビニしかり。だからこそ、お客さまと言葉を交わし、絆を作った店は、たとえ隣に同じコンセプトの店ができたとしてもびくともしません。

 人間ならではの対話のできる店になりましょう。たとえネットショップでも同じ。メールやLINEでいくらでも対話できます。

阪本啓一

今週の教訓
商品力プラス、対話力が
業績を決めます

阪本啓一
■ブランディング・コンサルタント。大阪大学人間科学部卒業後、旭化成入社。2000年に独立し渡米、ニューヨークでコンサルティング会社を設立。06年、株式会社JOYWOW創業、現在取締役会長。地球と人をリスペクトする、サステナビリティ経営の実現に取り組む。『共感企業 ビジネス2.0ビジョン』『ゆるみ力』などの著書・訳書、講演活動も多数。
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