2017/11/17発行 ジャピオン942号掲載記事

共感マーケティング

第154回 若く、貧しく、無名

 毛沢東の残したすてきな言葉があります。

 「大事を成そうとするための三つの要件がある。若く、貧しく、無名であることだ」

事を成そうとすれば 

 現在の私は貧しいというわけではありません。でも、「Stayhungry」、いつも乾いていたい、現状に甘んじたり満足したりするのは退化につながる、と厳しく自分を戒めています。

 具体的な行動や習慣で律するのが一番やりやすい。そこで、毎朝5時半に起きて勉強することを自分に課しています。前夜どれだけ遅くなっても、これだけは守る。勉強はいろいろあります。新聞を隅から隅まで読む、本を読む、原書に当たる、ネットで調べるなど、その時々の気分やテーマによりますが、この習慣は1日たりとも欠かせません。なぜなら、世界には自分より頑張っている人が山ほどいることを知っているからです。

 59歳、若くありません。しかし、若さを「好奇心旺盛」と読み替え、新しいことへの好奇心は絶やすまい、と決めています。やったことのないことをやる。行ったことのない場所へ行く。食べたことのないものを食べる。若い人と話をする。そして話題の「噛み合わなさ」を楽しむ。若い人たちが集まる店に行って観察する。

 「無名」というのは、こう読み替えています。「いつも新参者のマインドであれ」。新参者=その道に新しく入った人の新鮮な気持ちを持ち続けよ。

 何も自分が有名だというのではありません。そもそも人間である以上「名前はまだない」わけはなく、全員が名前を持っているのですから、「無名」ということはあり得ないのです。私は、いつもこの道に入ったばかり、知らないことばかりで経験が浅い、と自分に言い聞かせてあらゆることを吸収しようと意欲を燃やしています。

儲けるコツは 

 「商売で儲けるコツは何ですか?」と聞かれたら、「やること」と即答します。あれこれアタマだけで考えるだけでは状況やモノゴトは何一つ動きません。靴を履いて、ドアを開け、外へ出る。メールする。電話をかける。メッセージを投げてみる。とにかく何かやる。人間、ついあれこれ事前に考えてしまいがちです。真面目な人ほどそういう傾向になります。ただ、考えると、「やらない」「行かない」方向になりがちです。私はすべてのお誘いを「断らない」ことに決めています。予定を見て、空いていれば、たとえ気の乗らないお誘いでも「行く」。商売の神様が、お誘いしてくれる相手を使って私に「新しい体験をしなさい」と言ってくれているのだと解釈して。思えば、私が今あるのは、会社を辞めた翌日、ニューヨーク行きの飛行機へ飛び乗ったからです。当時ニューヨークにお客さまはゼロ、資金は退職金の数十万円しかありませんでした。マンハッタンの高層ビル群が見えてきたとき、武者震いではなく、怖気づいた震えが全身を襲ったことを思い出します。

 思えば、当時の私は若くはない(42歳)けれど、お金はなかったし、アメリカで誰一人として私を知る人のいない新参者でした。だから良かった。ひたすら、勉強し、実践し、働きました。

 もし今これを読んでいるあなたの状況が逆風で、厳しく、つらくて、うまくいかない時期だとしたら、勉強に励みましょう。勉強は裏切りません。即効性がないかもしれません。手応えを感じられないかもしれません。壁を感じるのは成長しているからです。勉強は必ず壁を超えるか、壊す力を与えてくれます。仕事も、勉強です。筋トレも、勉強です。何事も、すべて、勉強です。ガシガシ、やりましょう!

阪本啓一

今週の教訓
逆風のときこそ、勉強しましょう

阪本啓一
■ブランディング・コンサルタント。大阪大学人間科学部卒業後、旭化成入社。2000年に独立し渡米、ニューヨークでコンサルティング会社を設立。06年、株式会社JOYWOW創業、現在取締役会長。地球と人をリスペクトする、サステナビリティ経営の実現に取り組む。『共感企業 ビジネス2.0ビジョン』『ゆるみ力』などの著書・訳書、講演活動も多数。
www.kei-sakamoto.jp
電子メディア開店! www.orange-media.jp

阪本が選ぶ 読めば分かるこの一冊

那覇の市場で古本屋

「ジュンク堂書店那覇店が開店するときに東京から異動してきた私が、その二年後にひとりで古本屋を始めるとは、自分でも思いもしなかった。」(本文から引用)

 沖縄には最低でも月に1回は行っているのですが、市場の古本屋「ウララ」は知りませんでした。たまたま那覇空港の売店で見つけ、立ち読みしてハマり、買い求め機内で読み浸りました。

 考えてみれば新刊書店より、古本屋の方が棚作りに自由度が高いのかもしれません。テーマに沿って棚を作ることを考えれば、昔の刊行物だけど、そのテーマなら外せない、という一冊があるものです。本好きとしては分かります。

 大いに納得したのが、「沖縄では書店だけではなく、いろんな場所で本を売っている」ということ。「よくわかる御願ハンドブック」は沖縄の家庭の年中行事「御願(ウグヮン)」についての本ですが、餅屋に置いてます。週に100冊売れたそうです。発想が自由な沖縄の生活と共に古本屋のリアルを、楽しみました。

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