2017/11/10発行 ジャピオン941号掲載記事

共感マーケティング

第153回 違いを生むため朝起きる

 朝起きたとき真っ先に考えることは「さあ、今日も違いを生み出そう!」という決意です。「昨日と同じことをやろう」ほど、つまらないものはありません。違いを生み出すために生きるし、仕事する。昨日と同じことはしないという意識を大事にしています。

 例えば、会議。時につまらなく、「早く終わればいいのに」と思うことがあります。「早く終了時間になれ~」ということは、言い換えれば「早く死ぬ時間に近づけ~」と願っているのと同じです。考えてみれば、1秒でも1分でも時間が経ったら、ご臨終の時間に近づくわけですから。それが1秒後なのか、5年後なのか、10年後なのか、30年後なのか分かりませんが、人生の時間は有限です。また、人生、あっという間。だとしたら、そんなつまらない会議は見限って、とっとと部屋を出てしまうか、面白い会議へと変えてしまいましょう。

人生は短い 

 今年59歳ですが、あらためて思います。「人生は短い」と。会社員を卒業した翌日ニューヨークへ渡ったのが遥か17年前とは信じられません。その年生まれた子供が高校生になっている計算です。

 親友が熱心に進めてきたプロジェクトが頓挫しました。理解しづらい不合理な理由です。私は、凹んでいる親友にアドバイスしました。「良かったね」と。別のことに貴重な人生の時間を使いなさい、という天のはからいだと。残念がったり、誰かを恨んだりしている今この時も時間は瞬間瞬間消えていきます。

 だったら、今しかできない、今やりたいことに命を燃焼するべきです。プロジェクトで手に入ったかもしれないお金が気になるかもしれませんが、お金はあの世へ持っていけません。死ぬ間際、「あー。楽しかった!」と言えるかどうかはどれだけ楽しい時間を過ごしたか、にかかっています。

 また、義理で時間を過ごす余裕など誰にもないはずです。

時間のために働かない 

 仕事の対価としてのお金は多かれ少なかれ、時間に対して支払われる面があります。時給いくら、という仕事に限らず、私のようなコンサルティングや講演業も同じです。でも、自分の時間を販売する思想は捨てましょう。時間の始まりと終わりだけを意識して生きるというのは、ご臨終の時間までの補助線上で生きることになります。つまらない。

 違いを生み出すため。喜びと感動と愛と楽しさを生み出すため。そのことを意識して生き、仕事しましょう。

 具体的な行動はどうなるでしょうか。第一に、毎日、違うコースで会社へ行ってみる。電車通勤ならバスに乗り換える、あるいは自転車に乗ってみる。第二に、食べるものを変えてみる。好物をやめて、苦手な食べ物に挑戦してみる。「とりあえずビール」だったら、「とりあえずワイン」に変えてみる。第三に、友達と、「まず読まない本交換チーム」を作って、毎月、お互い相手がまず読みそうもない本をプレゼントし合う。第四に、小学校時代(中学、高校も可)の友達をフェイスブックで探して、メッセージを送ってみる。第五に、休日、まだ一度も行ったことのない街まで遠出してみる。第六に、メトロポリタン美術館へ行き、全く興味の持てない展示物の前に30分立って観察し続ける。第七に、利き腕を逆にして(右利きなら左手を)メインに使ってみる。

 第八に、フェイスブックメッセージやメール、ラインをやめて、ハガキで返信してみる。第九に、全く行ったことのないライブに行ってみる。第十に、(危険だから自宅で)後ろ向きに歩いてみる。

阪本啓一

今週の教訓
繰り返している、は危険な兆候です

阪本啓一
■ブランディング・コンサルタント。大阪大学人間科学部卒業後、旭化成入社。2000年に独立し渡米、ニューヨークでコンサルティング会社を設立。06年、株式会社JOYWOW創業、現在取締役会長。地球と人をリスペクトする、サステナビリティ経営の実現に取り組む。『共感企業 ビジネス2.0ビジョン』『ゆるみ力』などの著書・訳書、講演活動も多数。
www.kei-sakamoto.jp
電子メディア開店! www.orange-media.jp

阪本が選ぶ 読めば分かるこの一冊

人生の勝算

「人は絆にお金を払う」(本文から引用)

 著者は「SHOWROOM」創業者。「SHOWROOM」は、無名のアーティストを応援するアプリです。8歳で母を亡くし、両親を失った著者12歳は「とにかく稼ぐ」目的で、路上の弾き語りを始めます。試行錯誤の結果、歌いたい歌ではなく、興味を持って聴いてくれる歌を歌う戦略に転換します。

 松田聖子の「赤いスイートピー」を聴いてくれた40代女性が「『白いパラソル』って知ってる?」とリクエストされました。「1週間かけて練習するので、来週のこの時間、この場所にもう一度来てくださいますか?」と約束を取り付けます。するとその1週間の間、彼女はずっと「あの小学生の子、私のために練習してくれているんだ」と考えてくれます。絆が生まれ、「身内」「中の人」になります。

 お客さまを「中の人」してしまう発想。大事ですね。

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