2017/10/27発行 ジャピオン939号掲載記事

共感マーケティング

第151回 素直に実行する力

 「5000万円の融資が一発で決まった」

 塾生から、うれしい報告をもらいました。私の本(『「こんなもの誰が買うの?」がブランドになる』)内「金融機関は中小企業のここを見ている」「事業計画をきちんと説明できますか」に書いてある通りに実行したところ、それまで一度も取引のないメガバンク支店長の即決、その場で5000万円の融資が決定したそうです。

 彼はとにかく素直で、「引き合わせたい人が新潟にいるんだ。新潟、来週から行くけど、行く?」と投げたら「行きます」。「鹿児島のひより保育園、視察に行くけど、行く?」「はい。行きます」。常にイエス。素直に実行します。

 私は、マーケティングの秘訣を聞かれたら、「やること」と答えます。「よく考えること」ではありません。

「やる」「行く」しかない 

 思えば、人間の行動は「やるか・やらないか」「行くか・行かないか」のどちらかです。そして、人間、年齢を重ね、経験を積むほど「やらない」「行かない」理由が増えてきます。

 「たとえやってもどーのこーの」「行ったとしてもどーのこーの」。やったり、行ったりすると、「現状から変化」することになるので、失敗したり傷ついたりするかもしれません。しかし、宇宙には失敗はありません。そこにあるのは学びだけ。傷つくのは自分が勝手に傷ついたと思っているだけであり、相手は何とも思っていないことが大半。それもまた学びなんです。「よく考えて」しまうと、必ず「やらない」「行かない」結論へと歩いていってしまいます。

 商売繁盛している経営者に共通しているのは彼らの選択肢にはたった二つ、「やる」「行く」しかないことです。一方、くすぶっている人に共通しているのは「いつか時間ができたら」「仕事辞めるめどが立ったら」という姿勢です。「こんな仕事辞めてさ、オレの美学に合った居酒屋、始めたいんだよねー」と言う人で、居酒屋を始めた人を知りません。

 一方、昨日居酒屋でアフリカの話で盛り上がったら、今日の夕方「ケニアに着きました」と空港から自撮り写真をフェイスブックに投稿するのができる人です(実話です)。

黒で売上アップ 

 自然派キャンドルのキミノアカリのAkiKatoさんは百貨店催事に出店したはいいけれど、場所に恵まれず、苦戦を強いられていました。北海道物産展なのですが、やはり食品がいい場所を取っていて、工芸品コーナーは端っこも端っこ。前がジャガイモ、隣がワカメなどの乾物というハードコアな場所です。当初キャンドルを置く下敷きのシーツを白にしていたのを、先輩から「黒にしたら目立って、いいよ」というアドバイスをもらって、即座に黒へと敷き変えたところ、やはりお客さまの目をとらえ、売上もうなぎのぼりに上がったそうです。

 「キミノアカリ」ブランドが生まれてまだ2年ちょっとなのに全国ブランドへと成長できた理由はこの素直さにあります。Aki Katoさんは「自分はアーティスト。だから、商売のことは、商売に詳しい人のいうことを素直に実行しよう、取り入れよう」という吸収スポンジなところがあります。

 どんな知識より、どれだけ頭脳の性能が良いより、素直であること。本を読んだら、最低一つは書いてあることを実行する。人から話を聞いたら、その通りにやってみる。素直にやって、損することは何もありません。すべての人は、体験するために生きているのですから。

 いつか居酒屋を?いますぐ、会社辞めて、始めましょう。自分の気持ちに素直に。

阪本啓一

今週の教訓
素直さは、どんな賢さにも勝ります

阪本啓一
■ブランディング・コンサルタント。大阪大学人間科学部卒業後、旭化成入社。2000年に独立し渡米、ニューヨークでコンサルティング会社を設立。06年、株式会社JOYWOW創業、現在取締役会長。地球と人をリスペクトする、サステナビリティ経営の実現に取り組む。『共感企業 ビジネス2.0ビジョン』『ゆるみ力』などの著書・訳書、講演活動も多数。
www.kei-sakamoto.jp
電子メディア開店! www.orange-media.jp

阪本が選ぶ 読めば分かるこの一冊

革命のファンファーレ

「お金を稼ぐな。信用を稼げ。『信用持ち』は現代の錬金術師だ」 (本文から引用)

 「他人と競った時点で負け。自分だけの競技を創れ。」「作品の販売を人に委ねるな。それは作品の『育児放棄』だ。」「2017年1月。お金の奴隷解放宣言。」「過去の常識にしがみつくな。その船は、もう沈む。逃げろ」「ネタバレを恐れるな。人は『確認作業』でしか動かない」

 SNSとネットが生み出す新しい時代の経済については私も新著「『こんなもの誰が買うの?』がブランドになる」で書いていますが、また違うアプローチを見せてくれます。いずれも西野さんが実際に触って、実行したことがベースなので、磁力がすごい。すいすい楽しく読めて、そしてやる気が湧いてきます。

 私は、本の一部無料公開をブログで実行しました。それにしても何という素晴らしい時代に私たちは生きているのでしょう。

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