2015/01/01発行 ジャピオン794号掲載記事

共感マーケティング

第12回 楽しさが一番!


すてきな人が集まるところ

 昨日は、私の会社JOYWOW(以下JW)の年末パーティーでした。本社のある横浜で、毎年この時期に開催しています。経営コンサルティング会社なのに、夏は沖縄で、冬は横浜でパーティーをやっているヘンテコな会社です(笑)。今年は81人参加、年々増えています。

 「どう? 来ない?」といった軽い声掛けはしますが、強引な「集客」などは一切やっていません。常連さんが仲間を誘ってくれていて、だから毎年増えていきます。北は北海道(十勝、千歳)、南は沖縄(石垣島)という風に、全国から集まってくれます。会費は1万円で、決して安くはありません。ティーンエージャーも同じ金額ですが、それでも参加してくれています。

 一夜明けた今日、フェイスブックはパーティーの写真投稿であふれています。まるでニュースフィードがパーティーでジャックされたかのように(笑)。投稿のお願いなど全くしていないのに、不思議ですね。「楽しかったから、友達にもおすそ分け」という自然なノリです。

 来年(2015年)の開催日時ももうすでに決めているので、今日、フェイスブックでイベントページを立ち上げたところ、早くも13人が参加の手を挙げてくれています。一年後のパーティーに、しかも会費や会場情報など未定なのに、今から!

 手前みそで恐縮ですが、JWパーティーに人が集まる理由が、「いま」の時代のビジネスで重要な鍵を教えてくれていると思います。その鍵とは、「楽しさ」です。非常にシンプルですが、人は楽しいところに集まります。そして、人のいるところに引かれます。楽しさに共感して、足を運んでくれるのです。


今、求められる経営理念

 新しいビジネス環境では、「他社を打ちのめせ!」「競合を出し抜け!」といった「戦争もどき」の旧来のビジネスマインドは、どうやら賞味期限切れのようです。最近では、「みんなと楽しく」「笑顔で」「愛にあふれた」「ワクワクドキドキ」「面白く」という、旧来のビジネスシーンでは使われなかった情緒的表現がなされるビジネスが、顧客からの熱い支持を受けています。つまりこれこそが〝共感〟です。

 私のクライアントである某社は、「製造業を面白くする!」と社長が腕まくりして、楽しい企画やイベントをいろいろと考え、実行しています。だからすてきな人材が集まって来て、とってもいい社風です。

 JWの経営理念は、「JOY+WOW+LOVEand FUN」「喜び、感動、愛、そして楽しさ」。仕事の依頼も、「それって楽しい?」を指標に考えます。いくらお金が儲かりそうでも、楽しくなさそうだったら丁重にお断りします(エラそーで失礼します)。人生の時間は有限ですし、そもそも中小企業にとって使える資源(ヒト、モノ、カネ、情報、時間)も有限です。これは弊社に限らず、仕事や案件は、有限な資源を求めてバトルします。だとするなら、「何をやらないか」を明確にしておく必要があります。かつ、根底に持つべき指標「何のために仕事をするの?」も、言語化しておきましょう。

 皆さんのお店や会社は、どうですか?「楽しさ」を全ての指標のトップに置きませんか?

 メニュー、店の空気、音楽…全てを「楽しさ」一色で染め上げましょう。何のため?楽しくなるため…すてきだと思いませんか?難しい経営理論なんて、要りません。「ただひたすら、楽しくする」ことに専念してみてください。

 きっと、楽しい結果が待っていますよ。

http://goo.gl/KAyyKc

阪本啓一

今週の教訓
JOY+WOW+LOVE and FUNです

阪本啓一
■ブランディング・コンサルタント。大阪大学人間科学部卒業後、旭化成入社。2000年に独立し渡米、ニューヨークでコンサルティング会社を設立。06年、株式会社JOYWOW創業、現在取締役会長。地球と人をリスペクトする、サステナビリティ経営の実現に取り組む。『共感企業 ビジネス2.0ビジョン』『ゆるみ力』などの著書・訳書、講演活動も多数。
www.kei-sakamoto.jp
電子メディア開店! www.orange-media.jp

阪本が選ぶ 読めば分かるこの一冊

絶体絶命でも世界一愛される会社に変える!

私が考える「新・里山資本主義」とは、地域の人たちに心から愛され、会社としてもしっかり利益を上げ、県や国へ税金を払い続ける「永続企業」になること。 (本著より引用)

 著者石坂氏が社長を務める石坂産業は、帯の「『産廃屋』なのにホタル?」に表現されているように、環境共生を目指す産業廃棄物処理会社です。東京ドーム3・5個分の敷地の8割が里山、2割が工場。生産して「お金になる」工場が8割なら分かりますが、逆です。ここに、石坂産業の姿勢が見えます。

 2代目として創業者の父や社員との、そして「産廃業」への社会の偏見との生々しい格闘が描かれています。なんといっても白眉は、石坂さん自身が「地獄の3年間」と呼んでいる、35〜37歳の「四季を感じない」苦闘期。30歳で社長になってから、毎日が仕事、仕事。会社以外知らない日々。そこからの再生物語は、素手でつかみ取った体験だけに、大いに胸を打ちますし、私たちにとっても参考になります。

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