2018/07/20発行 ジャピオン976号掲載記事

ピルグリムファーザーズの入植から第二次世界大戦までのニューイングランド史を、各州にある歴史的スポットと共に振り返る。

第19回 ジレット・キャッスル

 コネティカット州イーストハダムにあるジレット・キャッスル州立公園には、その名の通り城がある。中世ヨーロッパの史跡のように見えるが、実は1919年建築。建てたのは貴族ではなく、舞台俳優のウィリアム・ジレットだ。

 同州ハートフォード出身のジレットは、初めて舞台でシャーロック・ホームズを演じた人物。1899年の初演以降、実に1000回以上も名探偵を演じた。原作を読んでイメージを膨らませた彼は、曲がったパイプをくわえ、原作にはない決めせりふ「Elementary, my dear Watson(初歩的だよ、ワトソン君)」を採用。これが、演劇におけるホームズ像を確立させた。

 24部屋を有するこの「城」は、ジレットが俳優引退後に住むセカンドライフの拠点として自ら設計。工事にも携わった。だが彼は結局亡くなる1年前まで、ホームズを演じ続けた。

なだらかな丘が連なるこの敷地は、通称「セブン・シスターズ」。元はジレットが所有していたが、彼の死後、1943年に州が購入した
建物は地元で採取された石を積み上げたものを、鉄筋で補強している
シャーロック・ホームズに扮(ふん)したジレット

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