2016/09/16発行 ジャピオン882号掲載記事

ボストンぶらり街めぐり

 米国の歴史は、ピルグリムファーザーズが、メイフラワー号に乗り、現在のマサチューセッツ州プリマスにたどりついたところから始まります。古くからの伝統を受け継ぎつつ、新しく変わっていくボストンの街を四季折々の写真と共に紹介するコーナーです。

第99回 イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館

 地下鉄グリーンEラインのボストン美術館駅から西に徒歩5分ほどの距離にある、15世紀ベネチア風の邸宅。ここは大富豪の未亡人、イザベラ・スチュワート・ガードナーが収集した美術品を展示する、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館です。1903年の開館当初は1階から3階までが美術館、4階にはガードナー夫人が住んでいました。絵画や陶磁器、タペストリーなど世界中の貴重な美術品を2500点以上収蔵しており、その数は個人コレクションでは世界トップクラスです。

 「美術品の配置は永久に変えてはならない」というガードナー夫人の遺言通り、旧館・フェンウェーコートの美術品は当時のまま展示されています。作品にはキャプションがなく、豪邸に招待された客目線で調度品を鑑賞できます。同館内には中庭もあり、四季折々の草花が彩りを添えます。長い冬の暗さを嫌ったガードナー夫人は、冬の間も自然光が降り注ぐよう、ガラス屋根の設置を依頼したといいます。

 現在は美術館の運営や旧館の保全のために、新館が新たな役割を担っています。コンサートやワークショップを行う空間、ミュージアムショップ、カフェの他、中庭の植物を育てる温室もあります。補強工事のため11月まで閉鎖中の、旧館2階にある代表的な作品は、新館で展示しています。

 ガードナー夫人は美術品の収集に傾倒しながら、当時活躍していた芸術家たちの後援も行っていました。ジョン・シンガー・サージェントはその一人で、3階のゴシックルームには彼の描いた、有名なガードナー夫人の肖像画があります。旅行好きの夫人は、1883年に日本を訪れており、岡倉天心とも交流があったそうです。

 イザベラという名前の人は無料で入場できる他、ボストン公共図書館でミュージアムパスを事前予約すると5ドル割引になります。芸術の秋に、ガードナー夫人の邸宅にお出掛けしてみませんか?(ライターK)

第99回 イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館

旧館のティツィアーノルームはひときわ華やか。この部屋を出た先には、ステンドグラスのきれいなチャペルがある
季節ごとに変わる中庭の植物を目的に、同美術館に通う人も多い。ガラス屋根から各部屋に、自然光が降りそそぐ
(左)日本へ旅したガードナー夫人のノート、(右)ジョン・シンガー・サージェントが描いたガードナー夫人

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