2016/07/15発行 ジャピオン873号掲載記事

ボストンぶらり街めぐり

 米国の歴史は、ピルグリムファーザーズが、メイフラワー号に乗り、現在のマサチューセッツ州プリマスにたどりついたところから始まります。古くからの伝統を受け継ぎつつ、新しく変わっていくボストンの街を四季折々の写真と共に紹介するコーナーです。

第91回 ウォールデン池

 前回は海辺の砂浜を取り上げましたが、自然の豊かなマサチューセッツ州には、白い砂浜がある湖や川もあちこちに点在しています。ボストニアンはそこにビーチパラソルを立てて昼寝をしたり、泳いで涼をとって夏を過ごします。

 そんな身近なオアシスの一つが、コンコードという街のそばにあるウォールデン池。ボストンから西方に車を30分ほど走らせ、高速2号線そばの道からなだらかな坂道を下っていくと、湖ほどに大きな池が木立の中からぽっかりと姿を現します。

 実はここは、2680エーカーにもおよぶウォールデン池州立自然公園の一部。敷地の大半が未開拓のまま保存されている森なのです。池のほとりでは、水の中ではしゃぐ子供たちの声が聞こえてくる一方、砂浜には見向きもせず、池を取り囲む森の中のハイキングコースに向けて、足早に消えていく人の姿もあります。

 この池は、19世紀の思想家デービッド・ヘンリー・ソローが、自然と融合した生活スタイルを極めるために、1部屋だけのシンプルな小屋をほとりに建てて住んでいたことで有名です。コンコード育ちのソローは1845年7月4日から実験的に2年間ほど、この森の家で過ごし、池の調査や本の執筆、ガーデニングなどに励んだそうです。当時の様子は、ソローの著書「ウォールデン〜森の生活」で語られています。ソローは結核のため44歳の若さで他界しましたが、物質にこだわらず精神的な事柄に重きをおいたソローに学ぼうと、この池を訪れる人は今でも後を絶ちません。

 砂浜あり、森あり、ハイキングコースあり、そしてソロー協会が運営するギフトショップもありと、見どころが盛りだくさんのウォールデン池自然公園。夏の休日にゆったりとした時間を楽しむには、うってつけの場所です。詳細は、www.mass.gov/eea/agen cies/dcr/massparks/region-north/walden-pond-state-reservation.htmlをご覧ください。(ライターS)

第91回 ウォールデン池

夏は砂浜として人気が高い。はしゃぐ子供もいれば、寝そべって日光浴をしたり、読書をしている人も
池のほとりを一周できるハイキングコース。静かで自然豊かな道は、歩くと気分爽快だ
小屋は現存していないが、跡地近くにソローの銅像と復元された小屋がある。ハイキング途中に立ち寄ってみよう

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