2016/07/01発行 ジャピオン871号掲載記事

ボストンぶらり街めぐり

 米国の歴史は、ピルグリムファーザーズが、メイフラワー号に乗り、現在のマサチューセッツ州プリマスにたどりついたところから始まります。古くからの伝統を受け継ぎつつ、新しく変わっていくボストンの街を四季折々の写真と共に紹介するコーナーです。

第89回 公共図書館再び

 今回は、地下鉄グリーンラインのコプリー駅前に建つ、ボストン公共図書館を紹介します。以前にもこのコーナーで取り上げた場所ですが、今回は地元ボストンの人々が、同図書館をどのように利用しているかを中心に見ていきます。

 同図書館は新館と旧館に分かれており、コプリースクエアの向かいに建つのが、旧館のマッキムビルです。旧館内では、主に歴史的価値の高い研究コレクションを収蔵しています。コレクションの中にはシェークスピアの初版本や、モーツァルトのオリジナルの楽譜などがあるそうです。

 2階の閲覧室「ベイツホール」は、高さ15メートル、幅12メートル、長さ66メートルを誇る巨大なアーチ型の天井が特徴です。部屋の名前は、多くの人々が無料で書籍を閲覧できるようにと資金を寄付した投資家、ジョシュア・ベイツから取られています。その美しい室内は映画撮影などにも用いられました。今年のアカデミー作品賞に選ばれた、ボストンが舞台の映画「スポットライト/世紀のスクープ」はその一例です。

 旧館と新館の間には中庭があり、人々の憩いの場として、特に暖かい季節に利用されています。中庭を臨むレストランでは、本格的なアフタヌーンティーを楽しめるので、こちらも読書やショッピング後のひと休みにぜひ立ち寄りたい場所です。

 同図書館では年中さまざまなイベントが催されていますが、閉館後には結婚式を挙げることもできます。中庭での挙式、ベイツホールでの披露宴の他、館内でダンスパーティーも開催できるそうです。豪華な式が挙げられると話題を呼び、国内のおすすめのウエディング会場として雑誌にも取り上げられました。閉館後の図書館で、誰かの特別な時間が刻まれると思うとすてきですね。

 3年前から続いていた新館の大改修工事も、今年夏にはいよいよ完了予定。歴史を重ねながら人々の生活に寄り添う同図書館に、いま一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。(ライターK)

第89回 公共図書館再び

映画撮影にも使われたベイツホール。静かな空間なので、ゆっくり読書や調べ物をする利用者が多い
中庭では持参したサンドイッチを頬張りながら、ホッと一息入れる人の姿も見られる
旧館・マッキムビルの入り口にある階段は、ウエディングの際には記念撮影の場所として使われる

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