2016/05/06発行 ジャピオン863号掲載記事

ボストンぶらり街めぐり

 米国の歴史は、ピルグリムファーザーズが、メイフラワー号に乗り、現在のマサチューセッツ州プリマスにたどりついたところから始まります。古くからの伝統を受け継ぎつつ、新しく変わっていくボストンの街を四季折々の写真と共に紹介するコーナーです。

第80回 ICA

 歴史のゆりかごとも呼ばれるボストンで、型破りな最先端アートに触れられる「InstituteofContemporaryArt,Boston」(通称ICA)。地元で最もトレンディーなウオーターフロント地区にあり、ボストン湾にせり出すように立つ、特徴あるビルで知られています。ここは、過去数年にわたりレッド・ブル・クリフ・ダイビング競技会の開催地となり、世界中のダイバーが屋上に設けられたプラットフォームから飛び込む姿がテレビでも放映されました。

 館内では、写真から彫刻まで幅広いジャンルの作品が展示されている他、動画やスライドの上映コーナーもあり、従来の美術館とは一味違ったアート鑑賞が楽しめます。目下展示中のレバノンの写真家ワリド・ラッドのレバノン市民戦争コレクションでは、壁に掲示された説明文そのものがアートの一部であったりもします。例えば、深海をイメージした青一色のプリント画が並ぶ横に、「これらは戦後、瓦礫の中から見つかったもの。ラボで分析すると溺れ死んだ人々の姿が浮き上がってくる」といった趣旨の説明があります。ところが、これをうのみにすると大変なことに。館員によると、ラッドは観る者にそういった想像をしてもらうことによって、生々しい戦争の傷跡を体験して欲しいと考えていたそうです。

 カナダ出身の芸術家ジェフリー・ファーマーによる、新聞・雑誌の切り抜きを貼り合わせて作った立体人物像コレクションも展示中です。「墓場」という作品は、イタリアの歴史本からの切り抜き写真で作った1200もの伝統彫刻の立体像を、素材別に円形の台にぎっしりと並べたものです。ファーマーは消えつつある紙の本を違った形で次世代に残したいのだろうと、美術館員は語っていました。

 ICAでは専門的な知識を持つ数多くの館員が各所にスタンバイしており、どんな質問にも気軽に答えてくれます。入館料は大人15ドル。詳細はウェブサイト(www.icaboston.org)をご覧ください。(ライターS)

第80回 ICA

ボストン湾岸に立つICAは、斬新なデザインの建築物としても知られる
ICA美術館館内にはボストン湾を見渡せる展望ホールもある
カナダ出身の芸術家、ジェフリー・ファーマーによるコラージュのコレクション

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