
今回は、ジュエリー・ブランド『BenloloNY』のデザイナー、デイビッド・ベンロロさんにお話を聞きました。
――この仕事に就いたいきさつを教えてください。
私はイスラエルのエルサレムで育ち、30年前にニューヨークに来ました。イスラエルではダイヤモンド産業がとても盛んで、自分でもジュエリー作りを始めていたのですが、来米したのはとにかく「アドベンチャー」を求めていたから。特にジュエリーの仕事をしたい、とは思っていなかったんですよ。最初の数年はウエイターなどをしていたのですが、1980年頃、ニューヨークのジュエリー業界で何かできるかもしれない、と、関連会社の集まる47ストリートのビルを片っ端から訪ね、全フロアの全オフィスのドアをノックして、仕事はないか聞いて回ったんです。それである宝石の修理工に雇ってもらうことになり、その後何人かのマスターについて技術を身につけ、ティファニーをはじめ数社で働いてから、12年前に自分のスタジオを開きました。
――現在はどんな活動をされていますか?
石の研磨からデザイン、制作までほとんどすべてを自分の手で行い、金、銀、天然石などを使ったオリジナルのジュエリーを作って販売しています。またスタジオでは、ジュエリー・クラスも開いています。日本語も少し話せるので、日本人の生徒さんも多いですよ。
――ジュエリー制作の魅力とは?
私は天然石そのものが本当に好きなんです。色、輝き、テクスチャーは石によって様々で、デザインと組み合わせれば無限の可能性があるのが楽しいですね。使う天然石は、スリランカ、タイ、ベトナムなど主にアジアの国で買い付けています。お気に入りの石はいつも変わるのですが、今はサファイアと、ルビーに似た石のスピネル。デザインのアイデアは、色々なところから湧いてきます。例えば「キス・リング」という指輪は、アジアで見た像とハンドバッグからアイデアを得たもの。像のように二人の人が抱き合うデザインで、がま口のようにパチンと留めたり外したりでき、二人がキスをしたり離れたりして見えます。美しいだけでなく、意味のあるジュエリーを作りたいと思っているんです。
――これからの展望は?
ゆくゆくは、ジュエリー教室と、そこの生徒が作品を展示するギャラリーを一体にしたスペースを、ニューヨークと東京に作りたいですね。